三枝匡「50超の改革論理で日本再生を提示したい」 「戦略プロフェッショナル・シリーズ」著者に聞く

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『決定版 戦略プロフェッショナル』著者でミスミグループ名誉会長の三枝 匡氏
三枝 匡(さえぐさ・ただし)/ミスミグループ名誉会長。一橋大学卒業、米スタンフォード大学MBA。41歳で株式会社三枝匡事務所を設立。数々の企業再生を手がけ、2002年、ミスミ創業者の田口弘氏に請われ、ミスミ社長に就任。21年から現職。「三枝匡『戦略と志』講座」を主宰。(撮影:今井康一)
旧シリーズは累計100万部を売り上げた。それ以降の知見を盛り込み、大幅に加筆した「決定版」。孤独に、したたかに「戦略経営者」を目指した男が、人生と「日本再生」を語り尽くす。

1人の個人として勝負できる人間になりたい

決定版 戦略プロフェッショナル 戦略独創経営を拓く
【決定版】戦略プロフェッショナル 戦略独創経営を拓く(三枝 匡著/KADOKAWA/1980円/360ページ)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。

──ミスミ創業者の田口弘さんが「この本を読んでようやくわかった。だから、三枝さんは日本人離れした、あれだけ強い人になったんだ」と言っておられた。

実は、若い頃の一連の話を出したのは、『決定版 戦略プロフェッショナル』が初めてなんです。この本の3分の2は私の人生について書いた。大学を出て、いわゆる一流企業に入ったものの、違う、ここは自分の居場所じゃないと。

1人の個人として勝負できる人間になりたい。そう思って米ボストン コンサルティング グループ(BCG)の日本国内採用第1号として移った。変わり種だったと思う。非常に孤独でした。

決定版 V字回復の経営 2年で会社を変えられますか? 「戦略プロフェッショナル・シリーズ」第2巻 (戦略プロフェッショナル・シリーズ 2巻)
【決定版】V字回復の経営2年で会社を変えられますか? 「戦略プロフェッショナル・シリーズ」第2巻(三枝 匡著/KADOKAWA/2200円/424ページ)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。

──BCGへの入社は1969年。高度成長真っ盛りでした。

最初、米国は日本をバカにしていたが、鉄鋼・繊維がやられ、自動車まで食われて米国の認識が変わった。日本は「強い経営」だ、すばらしい、となったのが70年代後半から80年代にかけて。

日本ブームの先鞭をつけたのは、『日本の経営』を書いたアベグレン。BCGで彼と一緒だった私も、もちろん、日本はすごいんだと思っていた。

BCGで4年。それから私はスタンフォード大学のビジネススクールに行く。コンサルはいわば個人事業主の集まり。もっと大きな組織を動かしてみたい、もう少し力をつけねば、と思った。普通はスタンフォードやハーバードを出た人がコンサルに行く。私は逆コースだった。

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