1980〜90年代にヒットした『週刊文春』の連載「おじさん改造講座」。この企画を立ち上げた人気コラムニストが、2009年、46歳で失語症になった。
手術が終わって目覚めたときには「お母さん」と「わかんない」の2語しか話せなくなっていた。家族とともに言葉を1つずつ取り戻し、自らの経験をつづった17年ぶりの著作。
失語症になった著者の闘病記
──あっけらかんとした闘病記でした。
病気になったからといって、ネガティブな感情は一つも湧かなかったんです。言葉は出てこないし、右手は不自由。あれもこれもできなくなってつらいのが普通かもしれませんが、私は「仕方ないな」と思いました。もともとの性格ですね。
09年12月、46歳のときに、くも膜下出血になって手術を受けました。手術はうまくいったのですが、手術箇所とはまったく別の場所が脳梗塞になってしまいました。左脳の4分の1がダメージを受け、言語と右手の機能に障害が出ました。
手術の後、旦那が集中治療室にお見舞いに来てくれました。私はニコニコしていたそうです。自分が自分であることはわかったし、旦那の顔も覚えていました。
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