採用面接で「邪悪」な素性を見逃さないプロの極意 『人を選ぶ技術』著者の小野壮彦氏に聞く

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グロービス・キャピタル・パートナーズ ディレクターの小野壮彦氏
小野壮彦(おの・たけひこ)/グロービス・キャピタル・パートナーズ ディレクター。1973年生まれ。早稲田大学商学部卒業後、アクセンチュア入社。99年に起業した会社を楽天に売却。伊ボッコーニ経営大学院でMBA取得後、Jリーグ・ヴィッセル神戸取締役就任。リヴァンプ等を経て、2008年スイス・エゴンゼンダー入社、16年パートナー就任。17年ZOZOへ転職、ZOZOスーツ事業立ち上げ。19年当社入社。(撮影:梅谷秀司)
人を見る目のあるなしは、鼻が利く利かないなど曖昧な言葉で放置されてきた。スイスに本社を置く世界屈指の経営者層ヘッドハンティング会社エゴンゼンダーでパートナーまで務めた著者は、実証的に検証された技術を使えば鍛えることができる、と説く。F1マシンの最高峰技術を“民生利用”した、人を見る目の磨き方。
『経営×人材の超プロが教える 人を選ぶ技術』(小野壮彦 著/フォレスト出版/1980円/293ページ)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。

──人の内面を地上1階から地下3階まで、4つの階層に分けて探っていく方法を初めて知りました。

筋トレにおける正しいフォームや食事の知識と同様、人を見る際も型と知識を持っておくとより深く見極められます。地下へと潜る逆ピラミッド型で、地上1階が「経験・知識・スキル」、地下1階が「コンピテンシー」、地下2階が「ポテンシャル」、最深部の地下3階は人を駆り立て確変させる「ソース・オブ・エナジー」としました。下へ行くほど外から見えにくく、変化しにくい。現状多くの中途採用面接では、地上1階のわかりやすいファクトをさらっておしまい、というケースが多い。

どう行動を取ったかの事実がすべて

──地下1階から下の階層こそが人を見るうえでより本質的だと。

コンピテンシーはどの状況下でどんな行動を取りがちかの行動特性。ここで重要なのはエピソードベースで話を聞くこと。当人の意見は無意味。とうとうと模範解答を述べているだけかもしれない。そうではなく、どんな行動を取ったかの事実がすべてです。自論は遮り、具体的にどうしたかに斬り込む。ここはあたかも事件現場の刑事のように、一つひとつデータを押さえていく。どんな状況下で何をやったか。シチュエーションを踏まえて、その中での具体的なエピソードを聞くことで、行動特性は把握できるのです。

──その下、地下2階のポテンシャルがいわゆる“伸びしろ”と。

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