全国800人が参加の「英語教員がちサロン」、運営・費用1人で担う教員の正体は Slackや共有ドライブに約600のデータ蓄積

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多くの教員がきっと「もっとよい授業を行いたい」という思いを持っている。しかし多忙を極める教育現場では、勉強時間を取るのも難しいのが現状だ。それは、中学校で英語教員をする江澤隆輔氏も同じだった。江澤氏はこれまでも、書籍やセミナーなどで英語授業や働き方改革に関する情報を発信してきた。そして2021年、よりよい授業をしたい教員とつながるため「英語教員がちサロン」を立ち上げたという。いったいサロンでは どのようなことが行われているのか。

英語教師がスキルアップできるサロンを設立

「もっとよい英語の授業をするために勉強したい」「時代に合わせた指導をしたい」など、全国には熱い思いを持った英語教員が多くいる。しかし多忙すぎる毎日の中、雑務や授業に関係のない仕事に追われ、スキルアップの時間を取れないのが現状だ。

江澤隆輔(えざわ・りゅうすけ)
公立中学校英語教員。「英語教員がちサロン」スターター
YouTubeやTV、Voicy、Twitterなどでも働き方・学級経営・教科指導に関する発信。 著書に『教師の働き方を変える時短』(東洋館出版)、『テーマ別英作文ドリル&ワーク』(明治図書出版)、『先生も大変なんです』(岩波書店)など、共著に『先生がパパ先生になったら読む本』(学事出版)。3児の父
(写真・本人提供)

「このような中で、中学校は2021年度に新学習指導要領が実施され、英語の授業にもたくさんの変更点がありました。並行してICT教育によりタブレットが導入され、私を含め悩んでいる先生がたくさんいるのではと思ったんです。全国にはさまざまな先生がいますから、異なる得意分野を持つ先生が集まってノウハウを共有できれば、困っている人が減るかもしれないと考えました」(江澤氏)

そこで江澤氏が21年11月に立ち上げたのが、特化型オンラインサロン「英語教員がちサロン」だ。参加費は無料で、ホームページから申請すれば基本的には誰でも参加することができる。

サロンの柱は「情報交換」「オンライン交流会」「豊富な授業データ」の3つ。情報交換にはSlackを用い、文法ごとにチャネルを設定している。文法以外にも、教材やプリントのシェアや指導案のチェックなども行われており、使い方はさまざまだ。

投稿された教材やプリントなどのデータは、「がちDrive」と呼ばれるオンラインストレージに保存される。サロン参加者はこれまでに蓄積された500〜600ものデータが使い放題。そのまま授業で使うもよし、自分の教材の参考にするのもよしだ。豊富な授業データは、初任者教員をはじめ教員たちの授業作りをサポートしている。

(画像:江澤氏提供)

また、月に1度Zoomを使ったサロン交流会も実施される。内容は主に2種類で、1つが参加者同士でテーマに合ったおしゃべりをする「がちトーク」、もう1つが講師を招いて講義形式で行う「がちセミナー」だ。もちろん、すべて無料で聞くことができるほか、サロンメンバーだけがアクセスできるアーカイブにも残る。

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