中学生の保護者300人調査!部活動の地域移行「賛成の親」4割、残り6割の本音 先生の負担は知っているが親の負担増を懸念も
保護者アンケートでも、地域移行に賛成した理由として、「専門的な指導が受けられる」(33.8%)、「希望する種目・活動を続けられる」(26.2%)、「学校の先生の負担が軽減される」(18.5%)、「学校を卒業しても続けられる」(14.6%)が上位を占めた。

部活動顧問をする教員の負担については、「教員の長時間労働の要因が部活動にある」こと、「部活動の顧問はほぼ無償で行っている」こと、「部活動の顧問は強制的に教員に割り当てられ、競技経験のない教員が指導することもある」ことを約7割の保護者が「知っている」と回答した。



一方、地域移行に反対する理由は「指導料などのお金がかかる」が38.9%で最多だった。「送迎をしなくてはならない」も25%で、保護者側の負担増への懸念を示している。「地域に受け皿となるクラブや企業がない」という回答も25%だった。賛否を明らかにしなかった保護者が半数近くを占めた結果を鑑みると、保護者の理解を得られないまま地域移行すれば、生徒間の格差など新たな課題を生むおそれがある。

心を病む教員も多い学校の労働環境問題の深刻さ、実質的に無償の時間外勤務の指導に頼る部活動のあり方の歪みといった現状を踏まえれば、できるだけ早期の部活動の地域移行実現が必要であることは大前提だ。解決を先送りしないためにも、国・地方の教育行政には、部活動の地域移行の意義について、保護者や地域の理解を早急に得る努力が求められているといえそうだ。
ここでは紹介しきれななかった「今後の部活動のあり方に対する考え方」についてPDFにまとめた。「専門性のある外部の指導者に委託すべき」「先生の負担を減らすべき」「時間外手当を支払うべき」「土日の部活は不要」など、さまざまな意見が見られた。回答も原文のまま全文掲載しているため、保護者の本音がよくわかる内容になっている。無料PDFのダウンロードはこちらから。
部活動に関する意識調査
対象:中学生の子どもを持ち、かつ部活動に所属している保護者300名
平均年齢:44.5歳
対象エリア:全国
調査日:2023年4月
(文・新木洋光、注記のない写真:吉野秀宏 / PIXTA)
東洋経済education × ICT編集部
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