中学生の保護者300人調査!部活動の地域移行「賛成の親」4割、残り6割の本音 先生の負担は知っているが親の負担増を懸念も

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部活動のメリット(複数回答可)については、「仲間ができる」(68.3%)、「体力・精神力が付く」(57.7%)、「社会性・協調性が身に付く」(48.3%)、「上下関係が学べる」(42%)、「達成感を感じられる」(38%)などが上位を占めた。「知識や技術を習得できる」は25.3%、「安価な費用で専門性が身に付く」は6.7%で、競技力向上よりは集団的活動から得られる対人関係能力醸成に対する期待が大きい傾向が示された。

大会での成績を追求して、長時間の厳しい練習が課されるなど“過熱”が指摘されることもある部活動の活動時間については、「適切」が51.7%、「多すぎる・やや多い」が計27.4%で、逆に、「少なすぎる・やや少ない」とする回答は17.3%だった。

一方で、2018年策定のガイドラインで、日本スポーツ協会の研究に基づき、平日は2時間程度、休養日を週2日以上設けることという基準を示されている活動時間について、地元の教育委員会や学校で時間規程が「ある」は40.7%、「ない」は20.7%、「わからない」という答えが38.7%を占め、活動時間についての保護者の関心は低い傾向が見られた。

子どもの部活動について保護者が負担を感じること(複数回答可)は
「お弁当の用意」(39%)、「日常の活動や練習試合などの送迎」(34.3%)、「ユニフォーム等の洗濯」(26%)など子どものサポートに関することが上位を占めた。一方で「合宿など遠征への帯同」(13%)、「差し入れの準備」(13%)、「活動費のなど会計管理」(12%)といった回答もあり、一部の保護者は部活動の運営協力を担っていることがうかがえた。

部活動で経験した悩みについては、「家族で過ごす時間が減った」(23%)に次いで、「交通費や合宿費などお金がかかる」(18.7%)、「保護者の協力がなければ成り立たない」(16%)も多かった。

部活動の出費に対する負担感はどうだろうか。「負担を感じない」「まったく負担に感じない」が計37.4%である一方、「非常に負担を感じる」「負担を感じる」も計34.7%で、約3分の1の保護者が出費に負担を感じていた。

実際の出費額(年間)は、「1万円以上~5万円未満」(36.3%)、「1万円以下」(25%)、「5万円以上~10万円未満」(17%)が大半を占めたが、「10万円以上~15万円未満」(7.3%)、「25万円以上」(1.7%)という回答もあった。

部活動の地域移行「教員の負担軽減」が理由の賛成は2割弱

では、部活動の地域移行という方針に対して保護者はどう思っているのだろうか。賛否についての回答は、賛成が43.3%で半数に満たなかった。反対は12%だったものの、わからないが約半数の44.7%を占め、保護者の戸惑いをうかがわせている。

部活動の地域移行については、教員の負担軽減という目的以外に、ガイドラインでは、地域のスポーツクラブ活動になることで、専門性を有する指導者が指導すること、中学生以外の世代も含めた生涯を通じた活動ができる環境が整うことなどをメリットに挙げている。

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