そして、その人を通じてゆたかのことを調べてもらった。すると、結婚していることがわかった。
怒り心頭に発し、なんとか彼を社会的におとしめてやりたいと思ったそうだが、それをいさめたのは、彼の情報を得るために動いてくれた友だちだった。
「社会的におとしめるって、どうするの? 会社や奥さんにバラすの? でもそれって見方を変えれば、 “私はだまされました”“不倫しました”というのを第三者にさらすということになるんだよ。自分も傷つくでしょ。だったらもうそんな男性のことは忘れて、次の出会いに向かったほうがいいんじゃない?」
相手に仕返しをするという行為は未練の表れだ。そして、仕返ししたところで、自分が幸せになれるわけではない。
「彼への一番の復讐は、私が幸せな結婚をすることだと気づきました」
そして、あきえは私の相談所を訪ねてきた。
アプリやイベント業者が開催している婚活パーティには、遊び目的の既婚者が紛れ込んでいることがある。ところが、結婚相談所は入会するときに独身証明書を提出するので、既婚者はいない。
独身をよそおった既婚者は、早い段階で男女の関係になりたがる。そこから3カ月くらい遊び倒すと、「仕事が忙しくなった」「遠地に転勤になった」などを常套句に、フェイドアウトしていこうとする。
どんなに仕事が忙しくても、結婚しようと思っている相手だったら、時間を作って会う。「仕事が忙しい」と言って会えなくなるのは、逃げの兆候だと思ったほうがいい。また、土日に会うことができない相手も、警戒したほうがいい。
女性は終わった恋愛を復活させない
はやと(34歳、仮名)は、高学歴、高収入の会社員だったが、恋愛経験がないままに年齢を重ねてしまった。そして、33歳のときに初めて婚活アプリに登録。最初はアプリでチャットがつながってもうまく会話ができず、2、3往復すると返信が途絶え、苦戦を強いられていた。
そんななかでもだんだんとやり方のコツをつかんでいき、やよい(33歳、仮名)と初めてリアルで会うことになった。
やよいは高卒で、地方から出てきて都内で働いていた。初めて会ったときに「すごい高学歴だね。私なんか釣り合うのかな」と言ったあとに、「これからもよろしくね」と言ってきた。未来を感じさせる言葉が、はやとにとってはうれしかった。
そして、2回目のデートのときに、やよいからホテルに誘ってきた。はやとは緊張しすぎて自分でも挙動不審になっていることがわかったので、「こういうことをするのは初めてなんだ」と正直に告白すると、やよいは優しくリードをしてくれた。
男女の関係になって、はやとはやよいにますます夢中になっていった。ところがその後、「今度、いつ会えるかな?」とLINEをしても、「今週は、予定があって」「今、人が辞めちゃって、そのぶんの仕事が増えちゃって大変なの」と、なかなか次の予定を出してこなかった。
会えないままに数カ月が経ち、はやとはやよいと会えないつらさとさみしさを紛らわすために、結婚相談所に登録して婚活することにした。
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