次に紹介するのが「卒業研究」だ。高校生では珍しい卒業研究を、3年間の同校での学びの集大成として自分の興味関心に応じて作成する。課題発見解決能力やマネジメント能力、主体性がさらに伸びるのはもちろんのこと、論文の書き方や自ら学び答えを導くプロセスについて1年をかけてじっくりと学ぶことができる。
この2つの授業では自分より年上の方や社会人の方と関わり、研究の手伝いの交渉などを自身で行うため、礼節やコミュニケーション能力も養うことができる。実際に養われた能力は実生活で役に立つと実感することも多く、他の高校では味わえない大きな魅力だ。
生徒の多様性を尊重する校風
同校では、全国に先駆けてSGH(スーパーグローバルハイスクール事業)やWWL(ワールドワイドラーニング)コンソーシアム構築支援事業に取り組んでおり、海外での校外学習・フィールドワークだけでなく、アジア・ヨーロッパからの留学生の受け入れや海外の大学生による学習活動の実践などにも取り組んでいる。そのため、「自由・自律・自覚」の精神の下、整容規定を含む校則の見直しが生徒主体で年に1回行われており、また教師も生徒の多様性に理解を示すなど、生徒の多様性を尊重するような校風を実現している。そこには、「学校生活にふさわしい服装と容姿を、状況や他者にも配慮して自身で判断できる」という教師と生徒間に信頼関係が結ばれている。
このように同校では、他の学校では味わえないような授業や校風、そして出会いがある。同行での学びの中で養われた能力や価値観は、将来どのような道に進んだとしても役に立つだろう。変わりゆく時代に合わせて筑波大学付属坂戸高校も柔軟に変化してゆく。勉学だけでなく、人間性や人生を豊かにしてくれるこの学校で自分と出会ってみてはどうだろうか。
(写真:本人提供)
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筑波大学附属坂戸高校 玉之内 七海(2023年3月現在)
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