記事の目次
様々な世界の住人と出会える特別な学び
生徒の主体性を育む特別な学び
生徒の多様性を尊重する校風

様々な世界の住人と出会える特別な学び

同校では、2年次から自分の興味・関心に応じて好きな科目が履修できる。普通科高校では学べない専門的な授業も多くあるため、自分と決して交わることのなかったような世界の住人と関わることができる。自分の未来像に合わせて作ることのできる時間割は、総合学科ならではの魅力だ。

とはいえ、自分の興味・関心について理解するというのはなかなか難しい。自分が何をしたいのか、将来の自分のために何を学ぶべきなのか。そこで、1年次にはどのように学び、生きていくか考える科目が多く採択されている。これらの科目を通じて自分自身の将来についてじっくり考え、今何が必要か判断する力を養う。私も最初は同校が総合学科だということも知らずに入学し、自分が何を学びたいか、将来のために何を学ぶべきか分からなかった。しかし、1年次の授業や様々な世界の住人と出会ったことでビジネス・経済に興味を持ち、2年間学んだ。

生徒の主体性を育む特別な学び

同校では、国際社会の課題に対する関心と深い教養に加えてコミュニケーションスキルや問題解決能力を高め、将来グローバルに活躍する生徒を育てるためグローバル教育に力を入れている。それだけではなく、国際人に求められるような主体性や統率力、協調性を養えるような教育プログラムが組まれている。今日は、そんな同校を象徴する授業を2つ紹介しよう。

まず紹介するのが、「T-GAP(つくさか・グローバル・アクション・プログラム)」だ。T-GAPでは社会課題を生徒自ら発見し、課題に対するアクションプランをチームで作成、実施していく中で課題発見解決能力やマネジメント能力、主体性をのばす。私の所属するグループでは性的マイノリティに対する偏見をまずは私たちの周りからなくすことを目標とし、性的マイノリティの正しい知識を与える場として講演会を主催した。

次に紹介するのが「卒業研究」だ。高校生では珍しい卒業研究を、3年間の同校での学びの集大成として自分の興味関心に応じて作成する。課題発見解決能力やマネジメント能力、主体性がさらに伸びるのはもちろんのこと、論文の書き方や自ら学び答えを導くプロセスについて1年をかけてじっくりと学ぶことができる。

この2つの授業では自分より年上の方や社会人の方と関わり、研究の手伝いの交渉などを自身で行うため、礼節やコミュニケーション能力も養うことができる。実際に養われた能力は実生活で役に立つと実感することも多く、他の高校では味わえない大きな魅力だ。

生徒の多様性を尊重する校風

同校では、全国に先駆けてSGH(スーパーグローバルハイスクール事業)やWWL(ワールドワイドラーニング)コンソーシアム構築支援事業に取り組んでおり、海外での校外学習・フィールドワークだけでなく、アジア・ヨーロッパからの留学生の受け入れや海外の大学生による学習活動の実践などにも取り組んでいる。そのため、「自由・自律・自覚」の精神の下、整容規定を含む校則の見直しが生徒主体で年に1回行われており、また教師も生徒の多様性に理解を示すなど、生徒の多様性を尊重するような校風を実現している。そこには、「学校生活にふさわしい服装と容姿を、状況や他者にも配慮して自身で判断できる」という教師と生徒間に信頼関係が結ばれている。

このように同校では、他の学校では味わえないような授業や校風、そして出会いがある。同行での学びの中で養われた能力や価値観は、将来どのような道に進んだとしても役に立つだろう。変わりゆく時代に合わせて筑波大学付属坂戸高校も柔軟に変化してゆく。勉学だけでなく、人間性や人生を豊かにしてくれるこの学校で自分と出会ってみてはどうだろうか。

(写真:本人提供)

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