保護者との関係「良好な先生」と苦しむ先生の差 信頼集める「学級通信」書き方3つのポイント

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自分たちの常識が実は世間の非常識だった、なんてことはどの業界でもよくある話。学校現場でも、従来のやり方に固執してしまい、働き方や授業の改革が進まないケースも多いのではないだろうか。そこで本連載は、「ココを変えればもっと学校現場がよくなるかも!」といった提案を、田中光夫先生の“フリーランスティーチャー”ならではの視点でお届けする。第3回のテーマは、「保護者との関係づくり」。さまざまな職場で保護者と接してきた田中先生には、円滑なコミュニケーションを実現する秘訣があるという。

――もうすぐ新年度です。保護者との関係づくりもスタートする季節ですが、コミュニケーションで何か心がけていることはありますか。

僕は「学級通信」を初任者時代からほぼ毎日書き続けています。きっかけは20年前。教員になってすぐ教員サークルに入ったのですが、そこで先輩が書いた学級通信を読む機会がありました。

その先輩は音読効果を脳科学のエビデンスを示しながらつづっていました。読み慣れているものを読んでいるときは脳がリラックスして集中力が高まるので、家庭でも学習を始める前に音読をやってみると効果的だと。普通は「家で音読をやってください」の一言で終わるのに、その内容の濃さに衝撃を受けました。

また、サークルのメンバー全員が学級通信を書いていたんですよね。話を聞くと何だかみんな学級経営がうまくいっている様子で、保護者の信頼を得る秘訣が学級通信にあるのではと感じ、僕も翌日から早速書き始めたのです。

田中光夫(たなか・みつお)
1978年生まれ、北海道出身。東京都の公立小学校教員として14年間勤務。2016年、主に病気休職の教員の代わりに担任を務める「フリーランスティーチャー」となる。これまで公立・私立合わせて延べ11校で講師を務める。NPO法人「Growmate」理事としてマーシャル諸島で私設図書館建設にも携わる。近著に『マンガでわかる!小学校の学級経営 クラスにわくわくがあふれるアイデア60』(明治図書)

――それから20年も続けているということは、手応えがあったということですよね。

はい。保護者からいつも「楽しく読んでいます」「夕飯のときに学級通信のネタで盛り上がっています」といった声をいただきます。

僕は、学校には保護者に対する「説明責任」があると考えています。教育活動は学校・教員・保護者が協力して行うわけですから。それに、子どもたちは1日の半分以上を学校で過ごすので、保護者は様子を知りたいはず。でも、低学年では学校での出来事を保護者に伝えるのがまだ上手ではない子もいるし、逆に高学年になって話さなくなってしまう子もいます。こうした中ではやはり日常的な伝達が必要であり、学級通信はそのツールとして有効に機能すると感じています。

フリーランスになってからも学級通信は欠かせません。僕は今、病休教員の代替として担任を務める場合が多いですが(病休代替「フリーランスティーチャー」の正体)、任期がたった2週間であっても、保護者に少しでも安心してほしいので学級通信を書いています。

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1カ月間担任を務めた際の学級通信。自身の考えやキャラクターが伝わるよう作成
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