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「畑×●●」環境を生かしたそれぞれの学び
生徒主体の熱い活動

「畑×●●」環境を生かしたそれぞれの学び

畑での収穫物

同校は、広大な畑を持つ。その畑を利用するのは、農業科の授業を中心に受ける生徒だけではない。例えば、服飾について学ぶ生徒が蚕を作る場として、福祉について学ぶ生徒が園芸療法や子供との触れ合い方を学ぶ場として、利用されている。

国際課題を中心に学ぶ私には、農業は無縁のはずだった。しかし、途上国の貧困問題に視点を向けた際、「食」というキーワードが生まれ、自然の力で作物を育てながら、農業を切り口としてリーダーシップについて放課後や休日の時間を使って学び、考えてきた。資料を読むことにとどまらず、実際に体験できる環境が整っているため、失敗や反省を重ねながら経験を踏まえた学びや活動を実現できる。

また、授業外の活動であるにも関わらず畑の作業方法を教えてくれる先生、そして生徒同士が学びを共有し合うコミュニティが同校にはある。学問を横断し、独創性を生かす学びの環境が整っている。

生徒主体の熱い活動

さらに本校では、生徒が自ら活動団体を起こし活動している。例えば、フードパントリーの開催や学校での献血の実施など、生徒が主体となり、社会課題に対してアクションを起こしている。同校でこのような活動が行えるのは、探究を軸とした学びを行うカリキュラムに加え、生徒同士で熱く意見を言い合うミーティングや、暖かい指導を教員や先輩からもらえる学校の雰囲気、施設設備が整っていることにある。

生徒の活動様子

同校の昼休みや放課後では、教室や外で遊ぶ生徒、畑で作業する生徒に交じって、生徒同士がPCを持ち寄り、熱心にミーティングし合う姿が目に映る。話し合ったことや考えたことを、教員を含め様々な人に相談しながら実行に移す。また、外部機関と活動する団体もあり、生徒の小さな力を大きな力にしようとしている。

私は団体で活動することに加え、このような活動団体を管理し、情報を共有する活動を行ってきた。生徒らしいアイデアをもとに、生き生きと活動している姿を目の前で見てきた。どの団体も積極的にイベントを開催し、自分たちにできることに全力で取り組んでいる。また、息抜きにピザ作りや焚火、水遊びを楽しむなど、環境をいかしながら充実した学校生活を送った。思考力や探究力に加え、社会で必要とされる行動力や協働性に対して、楽しく、経験を重ねながら身に付けられるのも本校の大きな魅力である。

(写真:本人撮影)

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