帰国子女と内部生がお互いを刺激し合える環境
本校は日本で数少ないIB(国際バカロレア)認定校なので、英語に重視することを始めとする、グローバルな教育を受けることができる。また、教育理念が「世界で生きる」生徒を育むことである本校では、実際に世界で活躍できる生徒を育成するため準備が、グローバル教育を通して整えられている。
本校は帰国子女を多く受け入れていて、小学校から進級してきた内部生と帰国生が一緒に学校生活を送ることができる環境となっている。本校のホームページに在校生の滞在国の一覧や滞在期間の情報が載っている。自分の所属している第4学年(高校1年生)を例に見てみると、126人の生徒が在籍している中、海外に1年以上滞在している生徒数は69人と、全体の半数以上だ。
この学校の生徒として感じることは、内部生と帰国生がお互いに刺激し合っているということだ。内部生は帰国生を見習い英語に励み、帰国生は内部生も見習って国語の勉強に励んでいることが多い。帰国生と内部生はどちらも様々な背景や経験を持っていて、お互いの良い所をお互いに見習っていると思う。これは、それぞれに不足している力や能力を補い、自分を高める上でとても良好な関係であると言える。これからも引き続き帰国生を受け入れていってほしい。
実用性とアウトプットを重視した学習
本校の学習は、日本で定着している一般的な「知識詰め込み型」とは異なり、近年重視されている「アウトプット重視の勉強」にとても力を入れている。
英語の授業を例にする。多くの内部生は文法や単語などを主に学んでいるが、既存の知識を生かしてプレゼンテーションの発表などを行う、アウトプット学習も重視している。そして帰国生の多くは、よりハイレベルな模擬国連などを行っている。実際の国連のようにそれぞれの国としての意見を発表するのは難しいがとてもやりがいがあり、楽しい。このような授業は英語に限ったことではなく、他の教科でも見られる。
この学校の生徒としては、ディスカッションやプレゼンテーションなどを行うのはただ知識を詰め込むよりもとても楽しく、既存の情報から新たなアイデアや意見を出すことができるので将来とても役に立つと思っている。特に、様々な背景を持った生徒たちが集まる本校では、多様な意見や考えを持った人たちで話し合いが可能なため、多角的な視点から物事を捉える力が身につく。
実生活に役立てることができる研究活動への積極的な参加
本校は、生徒たちが主体となって社会の問題に関心を持ちその問題解決のために行動することを目的とした研究活動を実施しており、積極的に参加するよう呼びかけている。
6年間の学校生活を通して、授業の一環として行う大きな研究活動が2つある。3年生の終わりから4年生の夏休みにかけて行うPP(パーソナルプロジェクト)と、4年生の終わりから6年生の2学期にかけて行う課題研究である。どちらも、自分が関心のあることについて調べ、その分野について自分が疑問になったことを研究するというものだ。やはり多様な背景を持つ生徒たちは多様な分野に興味を示し、多角的な視点から物事を見ることができていて、興味深い研究が多かった。
また本校はSSH(スーパーサイエンスハイスクール)とSGH(スーパーグローバルハイスクール)の認定校であるため、ISS Challengeという研究に参加する生徒も多い。ISSとは本校の学校の英語の呼び方に由来していて、ISS Challengeは約10ヶ月かけて行われている。一部の生徒は大学の教授と協力したり、アプリを開発したりと、かなりレベルの高い研究を行っている。このISS Challengeはとても困難なものだが、その分野に興味を示しているからこそ行えるもので、生徒たちの物事への関心の度合いが分かる。このような研究活動に参加することにより、実生活でも身近なことに関心を持ち、自分でリサーチを行い、問題解決に繋げる力を育むことができる。
研究活動以外にも、ボランティア部や校外の学問的なプログラムへの参加などを通して、社会への関心と関わりを大切にしている生徒たちの気持ちが現れている。このような気持ちは、学校側が積極的に研究活動を促しているからこそ生まれるのだと思う。このように、本校ではグローバル化が進む世界の変化に対応し、これから必要になってくる力を伸ばす環境を用意し、「世界で生きていく」生徒たちを育むことできている。これが自分の学校の魅力だ。
(写真:本人提供)