多様な力を得られる寮生活
麗澤の寮は自立する力を育む場所である。勉強はもちろん洗濯や掃除も人から言われて動くのではなく自分達で行い、計画は自ら立てて行動するので自然と自分を律することができる。
また、寮は主体性を育み思いやりの心を養える場所である。部屋の構成が三学年混ざった共同生活であるため学年が上がるに連れて相手にとってプラスになるような心配りができるようになっていく。高三では部屋や寮全体を見渡し、どのようにしたらみんながより良い寮生活を送れるのかを考え責任を持って引っ張っていくようになるのでリーダーシップマインドが育つ。
そして寮は多様な視点を養いコミュニケーション能力が抜群に身につく場所である。価値観が違ういろんな地域や国の仲間と暮らす事で、新しい考え方や自分の知らない世界に触れることができる。たまには意見のぶつかりあいもあるが、自己を主張するだけでなく相手の意見を聞き、自分の意見を柔軟に変えお互いを尊重し成長できる。話し合いは絆も深めるのだ。
栄養バランスのとれた美味しい給食
寮があるので麗澤高校は完全給食制だ。2016年に改装された食堂は広く開放感があり、栄養バランスを考えられた日替わりのメニューを食堂内で調理しているので毎日温かく美味しい給食を食べられる。寮生は朝食に主菜と副菜が変わりパンとご飯を選べ、夜食は2つのメニューから選ぶことができる。ランチは寮生だけでなく通学生もカフェテリア方式で、友達と楽しい時間を過ごしている。友達と同じメニューを食べることで友達とのコミュニケーションも広がるのだ。
学年ごとにメニューが決まった形式になる前に食べるため授業後に生徒が猛ダッシュした逸話のラーメンは具材は野菜たっぷりで味は醤油や味噌など様々な種類に変わるがいつ食べても美味しい。海外フェアや唐揚げフェアなどのイベントメニューの日ではお店で出てくるような本格的な料理を食べることができ、学校に行く楽しみの一つにもなっている。
卒業式では卒業生と保護者、在校生が一堂に会してすき焼き会食が開かれ、3年間同じ釜の飯を食べてきた仲間との最後の食事を楽しむことができる。これも伝統ある麗澤ならではだ。
思考力をはぐくむ多彩な授業
麗澤高校には1年から4年まで週に一度言語技術という授業がある。言語技術とは「聞く、読む、話す、書く」など今社会で求められている多様で円滑なコミュニケーション力を養う授業だ。授業では、文学作品、絵本の分析、説明・報告の方法、要約など毎時間新しい課題が提示され、議論を行い授業後に自分の主張を文章化することで考えをまとめ、相手に意見を伝える力を鍛える。
例えば、絵を分析する授業では何が書かれているのか、場所、季節、誰がいるのかなど絵の細かいところに注目し議論することで分析力を身につける。また、絵に込められているメッセージを読み解き、意見を述べあうことで論理的思考力を養っていく。
楽しみながらコミュニケーション能力が身につき、社会に出たときに自分の意見を相手に伝え、相手の意見をまとめることにも困らない。大学に行った先輩に言語技術について聞くと、課題が多く一番大変だったけれどレポートを書くのに一番役に立っているという声が多い。
日本人が世界で活躍するには自らの考えを正確にわかりやすく伝えることが必要だ。サッカーの日本代表やJALなど世界で活躍している企業でも言語技術は活用されており、世界で活躍するのに必要なコミュニケーション力と情報処理能力を楽しみながら麗澤高校では学ぶことができるのだ。
また、麗澤高校では「プロ」という特徴ある授業が行われている。自分プロではこれからの未来について自分で考え、また友人とそれぞれの考えを共有していく授業である。
AI化により必要とされる価値が変わることを知り、ブレインストーミングで多くの意見を出し友人と話し合いながら今までにないものや職業が創り出せる可能性に気づく。友人と話し合ったり発表を聞いたりする事で新しい発見もあり、発想が豊かになる。本当に実現できたら面白いと思える内容もあり興味が広がる。目標に対して何をするべきかどんな行動を起こせばいいかをゴールから逆算して考えることで確実な実行力を養うことができる。「プロ」は今まで自分になかった新しい見方を身につけられ、どう行動すべきか自分で考える麗澤らしい授業なのだ。
(写真:本人提供)