アドビの生成AI「企業が安心して使える」納得感 生成AIにアドビが参入した真の目的とは?

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アドビが発表した生成AI「Adobe Firefly」は、企業が生成AIを活用する際の著作権上の懸念に対応している(画像:アドビ提供)

アメリカのマイクロソフトやグーグルがしのぎを削るジェネレーティブ(生成)AIの領域に、新たなプレーヤーが名乗りを上げた。

3月21日(アメリカ太平洋時間)、「Adobe Photoshop」に代表される業務用の画像編集ソフトウェアなどを展開するアドビが生成AIを自社ツールで全面展開していくと発表した。同日からは、同社の生成AI「Adobe Firefly」の試験運用もスタートした。

生成AIは、プロンプト(文章の入力)によって、文章や画像などを自動生成することが可能だ。アドビがこの生成AIに注力するのはなぜなのか。その目的が、アメリカのラスベガスで開催された開発者会議「Adobe Summit 2023」で詳細に語られた。

アドビのビジネスを再定義

「今日は複数の製品について、生成AIの導入を発表する。これは、われわれのビジネスを再定義することを意味している」

アドビのシャンタヌ・ナラヤンCEO(最高経営責任者)は、サミットの基調講演でそう宣言した。

アドビのシャンタヌ・ナラヤンCEOは、生成AIの導入が事業の再定義になると力説した(写真:筆者撮影)

製品やサービスへの生成AIの導入が急速に進む中、クリエイティブツールを多数抱えるアドビがそこに生成AIを導入するのは至極当然の流れにも見える。

しかも、彼らが21日に公開した「Firefly」は、テスト段階の現状ではテキストで命令を与えるとそれに合わせて画像が生成されるという、かなりシンプルなものだ。

画角や画像のサイズ、テイストなどを指定しながら作れる、といった特徴はあるものの、単純な機能でいえば他の画像生成AIと大きな違いがないように見えるかもしれない。

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