大泉学園、「アニメの街」になった未完の学園都市 大学誘致できず、広大な土地に映画産業が着目
今年2月13日、『銀河鉄道999』や『宇宙戦艦ヤマト』などで知られる漫画家の松本零士さんが没した。
松本さんの自宅兼事務所は、西武鉄道池袋線の大泉学園駅の近くにある。そうした縁から、2008年には松本さんが同駅の1日駅長を務めたこともある。2009年には発車メロディをゴダイゴの楽曲『銀河鉄道999』へと切り替え、同日には駅北口の『銀河鉄道999』壁画もお披露目された。さらに、同年5月からは『銀河鉄道999』のラッピング車両が運行を開始。初代車両は2014年12月に運行を終了したが、2016年10月からは2代目のラッピング車両が登場し、2019年3月まで走り続けた。
駅を出ると「アニメの街」
大泉学園駅が所在する東京都練馬区内には、アニメ関連企業が約90社あるとされる。アニメ関連企業が多く立地していることから、練馬区はアニメを基幹産業として捉えて、地域活性化に役立ててきた。
練馬区がアニメを基幹産業にしていることからもわかるように、アニメ関連企業は区全域に点在している。大泉学園駅の周辺だけに所在しているわけではない。それでも大泉学園駅とアニメの関係は突出している。それを象徴するのが、大泉学園駅の北口再開発に合わせて整備されたペデストリアンデッキの大泉アニメゲートだろう。
大泉アニメゲートには『銀河鉄道999』の鉄郎とメーテル、『あしたのジョー』の矢吹丈、『鉄腕アトム』のアトム、『うる星やつら』のラム像といった人気マンガに登場するキャラクター像が並ぶほか、アニメの解説パネルなども設置されている。以前からアニメファンから聖地のように目されてきた大泉学園駅は、大泉アニメゲートによってアニメとの結びつきが強化された。
しかし、大泉学園駅は駅名からも窺えるように、当初は学園都市の一環として開設されている。
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