残業続きで疲弊「生産性が低い」会社が陥る悪循環 増員しても残業は減らない、どう対応すべき?
この場合は、A社員が優秀であると評価するのが正しいです。その評価を組織全体に明確にしなければなりません。残業をしないで生産性を上げたA社員には、残業分を賃金に上乗せしてもよいくらいです。これからの時代は、この評価や賃金対応が大事になります。
実際に労働時間を減らしても、1時間あたりの粗利益(1時間当たりの労働生産性)が増えた例は多々あります(外部配信先では図表、グラフなどの画像を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください)。
生産性を高めるやり方を共有する
そして次にやらなければならないことは、生産性を高めるやり方を、全社員に共有することです。教えるべき上司層が生産性を高める方法を知らなければ、部下に教えることができません。
たとえ上司の生産性が高くなくても、組織の中に生産性の高い社員がいる場合もあります。その生産性の高い社員がいったい何をやっているのか(重要業務)を明らかにすることが大切です。そのために必要な知識技術を明らかにして、そしてどのような勤務態度で仕事をしているか明らかにすることによって、すべての社員を優秀にすることができます。
日本の多くの企業では、成果を上げるやり方をほかの社員に教えなくなってしまった残念な状況が、バブル崩壊から30年続いています。
たとえば「成果の大きさで賞与を分配する」と発表してしまったら、社員同士の競争がより激化し、高い成果を上げるやり方を、誰にも教えなくなってしまいます。
それを「教える社員を評価する」やり方に変えていくのです。ほかの社員に生産性の高いやり方を教えた社員を組織の中で最も評価することを、たんなる口約束ではなく全社員がわかるように可視化し、仕組み化する必要があります。
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