日本国債利回りは1年で4倍になる可能性がある マネックスGで植田氏の教え子コール氏がご託宣

植田和男氏が日本銀行の新総裁に就任すれば､日本の10年国債利回りは向こう1年で4倍になり2％に達する可能性がある。マネックスグループのイェスパー･コール氏がこうした見方を示した。

マネックスのエキスパートディレクターで､かつて植田氏の教え子だったコール氏はブルームバーグテレビジョンとのインタビューで､｢投資アドバイスを求められたら､私は12カ月後の10年債利回りが1.75－2％程度になるとの予測を示す｣と述べた。植田氏はインフレ率上昇など経済のファンダメンタルズ（基礎的諸条件）に注目するだろうと､長年の日本ウオッチャーであるコール氏は話した。

  

黒田東彦現日銀総裁の後任として政府が経済学者の植田氏を任命するとの報道を受け､投資家は金融政策に関する植田氏の見解を把握しようと奔走。雨宮正佳副総裁の昇格を想定していたトレーダーらはこのニュースに不意を突かれ､直後には円が上昇し日本国債利回りは上昇した。

植田氏は｢速やかな勝利｣を目指すことはせず､日銀は同氏の下で｢非常に思慮深い｣中央銀行になるとコール氏は指摘。植田氏が注目するのは｢一つのデータポイントとしてのインフレではなく､重要なのは全体的な環境｣である可能性が高いとの見方を示した。

マネックスグループのイェスパー･コール氏が植田氏について語るブルームバーグ

コール氏の見通しが楽観的過ぎたこともある。2018年2月､設備投資と消費の拡大という｢好循環｣は始まっており､すぐに脱線する公算は小さいと予想したが､ブルームバーグがまとめたデータによると､同年の経済成長率は1％未満に減速し､19年にはマイナスとなった。

原題：Ueda Student Koll Says Japan Bond Yields May Quadruple in a Year（抜粋）

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著者：Ruth Carson､Rishaad Salamat