PTAの上部組織「PTA連合会からの退会」が加速、古い体質に疑問の声が噴出 会費負担重い、市P・県P・日Pの役割明確化必要
市P連というとどうしても、単Pの会長、副会長などの集まりのようなイメージを抱きがちだが、「このような研修会を通し、単Pの会員さんにも私たちの活動をもっと知ってもらいたいと思っています。市内の全家庭に年3回配布する広報紙も、いわゆる“学校新聞”ではなく、PTAとはどんな組織なのか、時代の流れを受け、今どんな活動が必要なのかなどについて取り上げ、丁寧に発信していきたいですね。PTA本来の目的を忘れず、連合組織として話し合いを深め、関係機関と協力体制を取りながら単Pの支えとなるよう、さまざまな問題解決に当たっていきたいと思います」と、岡田氏は話す。
県P連など「大きなP連」を退会する地域のP連が増加
「京都PTAフォーラム」では、“理想とするP連とは?”の問いに、登壇者からは「単Pから必要とされるP連」「単Pが運営上困ったときに、指針を示せるP連」「単Pの困り事の“相談先”としてのP連」などの声が上がった。先の大森氏も、こう続けた。
「単Pの基本的な運営は単Pに任せつつ、時代とともに変わり続けてよい組織であることを周知していくこと、変えていく途中で何かつまずいたとき、解決に向けて動いてあげられる組織であることが求められていると思います」
地域の単Pを束ねる市区町村郡のP連がこのような役割を果たすことで、単P、学校、地域が元気になっていくことだろう。一方で、都道府県P連や日Pといった上部団体について、岡田氏はこう述べる。
「市区町村郡のP連の集合体としてより広い視野を持ち、市区町村郡のP連を支える組織であってほしいものですが、活動内容や運営方法に目を向けると、市区町村郡のP連と同様の活動に終始しているように感じます。うちのようにある程度独自性や主体性を持って運営している市P連からすると、分担金を払ってまで上部団体に加盟する意義が感じられない、というのが正直なところです」
近年、奈良市と同様の理由で、県P連など「大きなP連」を退会する自治体が相次いでいる。22年には松山市P連が愛媛県P連を、高知市P連が高知県P連を退会。これ以前にも、岡山市P連、倉敷市P連が岡山県P連を、徳島市・名東郡PTA連合会(徳東P連)が徳島県P連を退会している。
県P連や日Pといった上部団体は、その目的を改めて見直し、今の時代に合った運営方法を模索する視座が求められているといえる。P連も、単Pと同様、地域の保護者が関わる活動だ。だからこそ、PTAや地域のP連はもちろん、都道府県P連や日Pといった上部団体が、どのような目的でどのような活動を行っているのか関心を持つことが大切だ。
(注記のない写真:S.N / PIXTA)
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