PTAの上部組織「PTA連合会からの退会」が加速、古い体質に疑問の声が噴出 会費負担重い、市P・県P・日Pの役割明確化必要
「全国のPTA連合で奮闘していらっしゃる皆さんから続々と情報が集まり、この場だけで完結しているのはもったいないと。当事者による課題解決に向けた方策や思いを、全国各地でこのような情報を求めている人たちに直接届けることができるようなムーブメントを起こすことが必要なのではないかと感じ、このフォーラムを企画しました」
「京都PTAフォーラム」の専用ホームページを作成し、イベント終了後、登壇者の事例発表の動画や資料、参加者からのアンケート結果も掲載した。
「かねて、全国の都道府県が持ち回りで開催し、事例発表などを行う日P主催の『PTA全国研究大会』(通称:全国大会)には疑問を抱いていました。開催地となる都道府県P連やPTA役員さんたちの運営準備、当日の運営サポートの負担を考えると、今の時代にはそぐわないのではないかと。地域の垣根を越えた情報交換や共有を望む声は多く聞こえてきます。オンラインで全国から誰でも視聴可能な今回のフォーラム開催により、“新しい形の全国大会”を提案できたのではないかと思っています」
市P連として最も大切な役割は、単Pを支えること
フォーラム登壇者の一人、奈良市PTA連合会(以下、奈良市P連)事務局長の岡田由美子氏は、「奈良市P連として最も大切な役割は、市内の単Pを支えることだと思っています」と言う。

2008年度奈良市PTA連合会広報委員、09年度理事、10〜11年度副会長を経て、13年度より事務局長。小学校、中学校のPTA会長、高等学校PTA役員を経験。3人の子どもの母親
(写真:岡田氏提供)
奈良市P連は、市内の公私立幼稚園・こども園・小学校・中学校・高校、計87のPTAを束ねている。P連の事務局は教育委員会が兼ねているケースが多いが、奈良市P連では、P連役員経験者が「事務局スタッフとして会長より委嘱を受け業務にあたる」という独自の形を取っている。
岡田氏は、ほかの仕事もしながら週に4日市内の事務局に足を運び、2名のスタッフと共に事務処理、会計処理、部会や研修会の会場の確保や講師の手配、単Pからの問い合わせ対応、奈良市P連発行の広報紙の制作などを担っている。13年度から奈良市P連事務局長を務める岡田氏が、単Pを支えるために力を注いできたのが、「任意加入」の周知と入会申し込みの整備だ。
「PTAは任意の団体であり、その入退会は会員の意思で決められるべきものですが、入会申し込みを取っていた単Pは全体の4分の1でした。任意の周知はしていても、子どもの入学に合わせて自動(強制)加入の単Pが少なくないのが現状でした」
そこで、16年度から、市内の全単Pに、入会意思確認の有無と非会員の人数の調査を開始。任意加入の周知と入会申し込み整備に向けての学習会を開催しつつ、単Pの運営の指針となるよう、
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