韓国で話題になった日本での「わさびテロ」その後 日韓メディアに次々取り上げられた店の言い分

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当該の客からはわさびが大量に入っていた時点で指摘を受けたという。その後作り直して再提供したというが、その際に「『ほかのお寿司のわさびの量は大丈夫ですか』とお尋ねしました」(担当者)。

この店にはもともと韓国人を含む外国人観光客が多く訪れていたというが、本件以降、韓国人観光客の数は減っているという。また、レビューをめぐるやりとりが韓国だけでなく、日本のメディアにも取り上げらたこともあって、韓国メディアに加え、一般の顧客からも運営会社などにも問い合わせがあったとしている。ただ、当該顧客を突き止めるのは難しく、直接のやりとりはこれまでのところない。

同社は今後、調理やサービスに加えて、SNSの投稿に対するコメントについても細心の注意を払うとしているが、今回の行為が意図的でなかったとしても、日本文化を好む韓国人が持つ「安全かつ清潔な日本食」というイメージが後退してしまったことは否定できない。実際、ネット上には「今もわさびテロをする店があるのか。信じられない」という書き込みが目立った。

それでも日本旅行は「超人気」

とはいえ、日本旅行に対する韓国人の関心は高まる一方だ。昨年12月現在、日本行きの航空券の販売が急増し、販売増加率上位1位から5位までのすべてに日本の都市がランクインしている。

旧正月連休である1月20日から24日までの海外ツアー商品の売り上げの30%が日本行きである。年明け4日、福岡のすし店をめぐる騒動が注目を集めた後も、日本旅行に対する韓国人の関心は高いままである。

韓国人が日本に行ってたべたい日本食の1位がすしという調査もある。すしに盛られるわさびをめぐる騒動があったとしても多くの韓国人は冷静で、日本文化を体験しに日本を訪れているのが現状だ。

朴眞煥 報道番組ディレクター、ジャーナリスト

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パク・ジンファン / Jinhwan Park

1975年韓国ソウル生まれ。韓国漢陽大学大学院卒業後、作戦将校として空軍に入隊(元空軍大尉)。2005年来日、京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程中退、専門は文化人類学。韓国における軍事文化、徴兵拒否運動、反戦平和運動について研究を続け、筑波大学研究員を経て、2016年から現職(主に朝鮮半島情勢、日韓関係を取材し執筆、メディアに出演中)。著作に「韓国社会の徴兵拒否運動からみる平和運動の現状」「異文化で自文化を研究すること語ること-非日常な軍隊経験と前後の日常」など。

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