ネット銀で最後発「GMOあおぞら」が迎える正念場 黒字化を2年後ろ倒し、親会社との連携もカギ
多くのネット銀が業績を伸ばす傍ら、赤字が続くGMOあおぞらネット銀行。外部要因に加えて同行自身の課題も抱える中、収益のテコ入れを急ぐ。
渋谷駅西口に立つオフィスビル「渋谷フクラス」。ベンチャーなどが集積するハイテクの街に本店を構えるのが、インターネット専業のGMOあおぞらネット銀行(GANB)だ。
ネット銀としては最後発組の同行が今、正念場を迎えている。
GANBは2018年7月に営業を開始し、当初は開業5年目の2023年3月期の黒字化をもくろんでいた。だが、想定通りに利益が伸びず、このほど黒字化目標を2025年3月期に後ろ倒しした。2022年10月には、親会社のあおぞら銀とGMOグループから約87億円の資本増強を受けることも決まった。
同業が着々と業績を伸ばす中、いまだ投資先行のGANB。収益が伸び悩んだ背景には、固有のビジネスモデルの下での誤算と課題があった。
住宅ローンも金融商品仲介もやらない
「ITを駆使して、銀行が今までやってこなかったサービスを提供したい。(個人から法人まであらゆるサービスを提供する)フルバンキングはやらない」。GANBの金子岳人代表取締役会長はそう強調する。
多くのネット銀にとって、稼ぎ頭は住宅ローンや金融商品仲介だ。実店舗を持たないコスト競争力を生かし、金利や手数料の安さをウリに業績を伸ばしてきた。一方、後発であるGANBは他社との差別化を図るべく、いずれの事業も手がけていない。
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