人口減少に転じた中国。人口ボーナスの時期はすでに過ぎ、経済成長率の低下は避けられない。

中国はこれまで人口ボーナスを享受してきた。今後はその逆である人口オーナスの時期を迎える(写真:The New York Times/Redux/アフロ)
中国の人口が2022年、建国以来で初めて減少したとみられる。23年中にはインドが中国を抜いて世界一の人口大国になる見込みだ。米国を抜いて世界一の経済大国になるとの目標も、経済の低迷で国民の間からは悲観的な見方も出てきた。「世界一の大国になる」という「既定路線」は大きく揺らぎ始めている。
21年、中国の人口は対前年比で48万人の増加にとどまった。22年上半期の速報値は同6000人減で、半期の数字ながら建国以来初めて政府が正式に人口減を認めた。通年でもマイナスとなるのが確実な情勢だ。
国連の人口統計では、22年7月時点で中国は14億2600万、対するインドは14億1200万。インドの増加率は年1%程度と決して高くないが、中国が減少局面に入っていることから、23年中にも逆転し、インドが世界一の人口大国になるとみられる。
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