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中国が日本の「安保3文書」批判に抑制的な理由 恐れているのは、日米欧による封じ込め策

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日本の安保3文書策定に中国は抑制的な態度を示している。中国が恐れるのは日米欧の包囲網だ。

2021年の中国国際航空宇宙博覧会で撮影された「WZ-7」
今月、宮古海峡上空を飛行した無人機と同型の「WZ-7」。2021年の中国国際航空宇宙博覧会で撮影(写真:ロイター/アフロ)

昨年12月16日、岸田文雄内閣が「国家安全保障戦略」「国家防衛戦略」「防衛力整備計画」の安全保障3文書を閣議決定した。国家安全保障戦略は、「現在の中国の対外的な姿勢や軍事動向等は、(中略)これまでにない最大の戦略的な挑戦」であるとの認識を示している。

この認識に対して中国外交部の報道官は、日本こそ「この地域の平和と安定に対する最大の挑戦である」と反駁(はんばく)し、「日本は地政学的自己満足のために、海洋に関する問題をあおったりかき回したりするのをやめるべきだ」と批判した。

また12月19日付の「環球時報」は、「今回の3文書改定は軍拡・強軍と攻撃兵器の開発を日本の防衛政策として定着させ、日米安保の盾としての役割に満足せず、『専守防衛』に重大な転向を生じさせる」とし、その意図は「日本の成長が停滞し、主要国間のパワーバランスが日本にとって不利に傾いていることを背景に、余力があるうちに軍事で突破口を開き、国際・地域問題にさらに関与し、政治大国という目標を実現する」ことにあると断じている。

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