世界の富裕層は習い事で「子どもの好きや得意」をどう伸ばしているのか 大学進学を見据えた「大好き競争」の中身
小学校高学年になると、日本でも中学受験などで時間もなくなり、親の費用負担が大きくなって習い事を減らす家庭が多いと聞きます。わが家も同じような境遇に陥り、思い切って習い事をゼロベースで考えることにしました。つまり、いったん白紙に戻して、本当に必要なものだけに絞るという作業をしたのです。
長く続けていた習い事は惰性で続けてしまいがちですが、本人がやる気がないものはどんなにお金をかけても身になりません。お金持ちの子どもたちが乗馬のグループレッスン中におしゃべりをしていたりするのを見たこともあります。そこで好きや得意を生かし、親がやらせたくて始めたもので本人の希望ではないものはバッサリとカットしてみたのです。大人になって本人がやりたくなったら、また再開すればよいと考えました。そうしたところ、お金や時間に余裕が生まれ、楽になりました。
お金だけに頼らない、毎日のルーチンは最強
実は富裕層がやっていることの特徴として、お金をむやみにかけるよりも毎日のルーチンをしっかりつくっていることを挙げることができます。1日30分でもよいので、よい習慣を子どもに続けさせるのです。例えば、日記を書く、本を読む、算数のプリントをする、算数や読書のアプリをやる、運動をさせるなどです。
お手本になる家は遊びに行く前にこうしたルーチンをやらせていたりします。わが家は自宅に帰ったら、まずおやつを食べてリラックスタイムをつくらないとなかなかやらないので感心します。また、カフェなどの待ち時間についついiPadを与えてしまいそうなときでも分厚い本を子どもに渡して読ませたり、日記を書かせている親もいます。なかなかすべてはまねできませんが、そういう親子を見て毎回戒められます。
シンガポールには天才的な子どもがたくさんいます。そのために、他人と比較をしても無意味であると早くから知ることができました。子どもの性質、環境など多種多様だからです。
ですから、他人との比較ではなく、自分の子どもの過去と現在との比較に集中するように心がけています。また、あまり欲張りすぎずに優先順位をしっかりつけて、打ち込んでいること、学校の宿題など絶対にやらなければならないことを優先させるようにしています。焦り、悩むことも多いですが、子どもの力を信じて、毎日コツコツと継続させて複利効果を待つしかないと感じるのです。
(注記のない写真:Wasabi35 / PIXTA)
執筆:シンガポール在住、ファイナンシャルプランナー 花輪陽子
東洋経済education × ICT編集部
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