それでも衰えない、ビットコインへの期待

大手企業も続々参入

そのひとつ、昨年4月に売買を始めたベンチャー「ビットフライヤー」(東京・永田町)では、毎月1億円分前後のビットコインが売り買いされている。

元外資系証券のトレーダーでビットフライヤー社長の加納裕三氏(39)が説明する。

「利用者は今年に入ってからも1.5倍以上に増えています。都心に暮らす20代から40代の男性が大半で、おカネに少し余裕がある人が多いようです」

ただ、彼らの多くは「使う」ためではなく、「儲ける」ためにビットコインを買っている。理由はその激しい値動きにある。

1日千円以上の乱高下

1ビットコイン=1ドル以下から始まった相場は、キプロスの金融危機や、中国で一時的に決済を認められたことなどが相まって、グングン上昇。13年後半には一時1千ドル前後まで急騰し、1年で100倍にもなった。マウント・ゴックスの破綻後は300~500ドルほどで推移しているものの、今も1日千円以上の乱高下は珍しくないため、売ったり買ったりを繰り返すデイトレーダーもいるという。

日本では今のところ、こうした“マネーゲーム”にしか、ビットコインの需要はない。その最大の理由は、クレジットカードや電子マネーがあまねく普及していることだ。ビットコインの利便性を享受する消費者が、日本にはほとんどいない。

数少ない例外は、国境を超えておカネを送金する人たち。たとえば、日本の中古家電を中国に運んで売りさばく中国人ブローカー(42)は、こう語る。

「ビットコインから円に両替する手数料は、どこも1%未満。現金を引き出すのにかかる手数料を差し引いても、銀行間の送金と比べて数%は安い。うちは1カ月に数百万円の売り上げがある。それをビットコインで日本に送ってもらって換金。毎月5万円くらい浮かしてるよ」

日本に留学する息子にビットコインで仕送りする、という中国人もいるというが、まだまだ普通の人には縁遠い。

前出の加納氏は「なかなか説明してもピンときてくれる人は少ないが」と前置きしつつも、こう熱っぽく話す。

「ビットコインが広まると、いろんなビジネスチャンスが生まれるんです。たとえば、海外のITプログラマーに1万円の報酬を払うとします。従来の銀行なら手数料が数千円かかりますが、ビットコインなら数百円。最近はフィリピン人にオンラインで英会話を教えてもらうサービスもあるでしょ。ビットコインなら、その代金を数百円だけ送ることもできるようになる。ウェブカメラを使い、留守の自宅を何時間か遠隔で見張ってもらうとか。ほら、いろんなビジネスが浮かんでくるでしょ?」

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