「学歴なしお金なし」で息子を純国産バイリンガル東大生に育てたママの教育 「親はあるものを精いっぱい使うだけ」の真意は

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キリくんが唯一通った教室が、英語のプライベートレッスンだ。月謝が高いため、通常より回数を減らして月に2回。カリキュラムは意識しすぎず、テキストの代わりにおもちゃを持って行った。キリくんにとっては近所の家に遊びにいく感覚だったが、タエさんは息子が楽しく過ごせるよう、息子が好きなものをよく観察して講師に事前共有していたそうだ。レッスン中は同じ部屋で見守りつつ、家で自分が使える英語のボキャブラリーを増やしたという。キリくんが通ったいわゆる「塾」のような教室は、小学校1年生までのこのプライベートレッスンが最後だ。

一方、小学校に上がると家にいる時間が減り英語に触れる時間も減っていく。また、この頃からタエさんの英語力がキリくんに追いつかなくなってきた。そこで始めたのが、オンライン英会話だ。1回数百円のレッスンを週に1〜2回受講したが、ここでも最優先は楽しく会話をすること。すると、小学校高学年頃から英語力が安定し、中学校に上がる頃には特に英会話の機会を用意しなくても英語力が衰えることがなくなった。そこからはオンライン英会話も卒業し、引き続き趣味として読書や映画で英語を楽しんだ。

「親の力じゃない」なんてことはない

とはいえ、これらはタエさんが主婦だからこそできた子育てでもある。子どもに寄り添うために、放課後までにすべての家事を終わらせることはなかなか難しい。実際に、タエさんが顧問を務める英語育児通信講座「ベビーパーク」の受講者には共働きも多く、つねに伴走するのは難しいという相談もあるようだ。そんなとき、タエさんは次のように答えるという。

「私にはたまたま『時間』だけがありました。あとは、息子が大好きだという気持ち。この2つを目一杯活用しただけなんです。私にはお金や学歴がありませんでしたが、『ないからできない』と思えばそこで終わり。親は、自分が持っているものを精いっぱい使うだけじゃないでしょうか? 物理的に近くにいられずとも、手紙や伝言で伴走はできます。時間がなくてもお金があるなら、家事を外注して時間をつくってもいいと思います」

「これは息子が賢いだけ。親の力じゃない」――。過去にブログが炎上したことで、逆に「親ができることを精いっぱいすれば、どんな子も賢くなれる!」とスイッチが入ったというタエさん。3ナイ主婦として、「今あるもの」で工夫することの可能性を今も伝え続けている。

(文:中原美絵子、写真:タエさん提供)

東洋経済education × ICT編集部

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小学校・中学校・高校・大学等の学校教育に関するニュースや課題のほか連載などを通じて教育現場の今をわかりやすくお伝えします。

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