銀行が抱える問題、迫り来る「外債運用」の試練 想定を上回る海外金利の上昇で翻弄されている

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外債の運用で生じた多額の含み損をどう処理するか。多くの地銀にとっての悩みの種だ。
海外金利の急速な上昇によって、多くの地方銀行が運用する外国債券に「含み損」が発生しており、その対応に苦慮している。
うまく損失を処理できた地銀とそれができない地銀との差はどこにあるのか。全5回の特集「銀行を襲う 外債の試練」でその実態に迫った。

1位はマイナス640億円、地銀「含み損」ランキング

全国の地銀99行を対象に、2022年9月末時点での有価証券評価損益を集計。含み損の額が大きい順にランキングした。

2022年9月期の決算書から「評価損益」に注目してランキングを作成した

決算書の開示では、外債現物あるいは外債を組み入れたファンドは「その他」に該当する。そこで、有価証券全体の評価損益とは別に、「その他」のみの評価損益も抽出した。>>ランキングの詳細はこちら

「外債ショック」、翻弄される地銀で分かれた明暗

多くの地方銀行は近年、相対的に利回りの高い米ドルやユーロ建て債券への投資に傾斜してきた。だが、2022年に入って海外金利が急上昇したことで、外債の時価が取得時の価格(簿価)を下回る含み損が発生している。その対応に「明暗」が分かれている理由は何か。>>記事はこちら

地銀はなぜ、外債投資で「失敗」を繰り返すのか

和(なごみ)キャピタルの小栗社長は地銀の運用体制の問題点を指摘した(撮影:吉濱篤志)

海外金利の急激な上昇で膨らむ外債の含み損。地方銀行が外債運用で抱える課題は何か。静岡銀行で市場運用に長く携わり、現在は地銀に対して運用の助言を行う和(なごみ)キャピタルの小栗直登社長に聞いた。>>インタビューはこちら

銀行を襲う「外債含み損」、待ち受ける苦渋の選択

外債運用で生じた「含み損」は売却するまで、損失としては確定しない。債券を満期まで保有し続け、額面価格で償還されるのを待つことも本来は選択肢だ。だが、銀行にとっては含み損の膨張を無視できない事情がある。>>記事はこちら

りそな、「550億円損失」出しても外債を売った真意

りそなホールディングスは2021年度に外債などの売却で多額の損失を計上した(記者撮影)

「自分たちの判断が正しかったということは、中長期的に結果を出して証明していきたい」。2022年5月、りそなホールディングスの南昌宏社長は決算説明会で、そう述べて理解を求めた。約550億円。2022年1~3月の間に、りそなが外債などの売却で計上した損失額だ。>>記事はこちら

一井 純 東洋経済 記者

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いちい じゅん / Jun Ichii

建設、不動産業の取材を経て現在は金融業界担当。銀行、信託、ファンド、金融行政などを取材。

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