東京スカイツリー「地上497m」には何があるのか 最上部「ゲイン塔」を照らす機器、「観測装置」も

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過去の例も含めると、日本気象協会の「ヒートアイランド観測」(480m地点)、防災科学技術研究所の「雲粒観測」(458m地点)、国立極地研究所・広島大学などによる「エアロゾル観測」(同)、東京大学の「重力差による時刻の歪み観測」(450m地点および地上付近)、東京工業大学の「風観測」(375m地点および5階)などが挙げられる。

研究・観測内容は盛りだくさんだが、機器などを設置するスペースにはまだまだ「空き」があるという。企業や研究施設の利用を想定し、タワー中心のシャフト部分を囲むドーナツ状のフロアや部屋が複数用意されている。

さまざまな条件はあるものの、基本的にゲイン塔より下であれば、機器を外に設置したり、人が持って観測したりもできるといい、同じ場所で異なる高さのデータを採れるのも強みだ。

東京スカイツリーの機器室
タワー中心を囲む巨大なドーナツのような形状の機器室(記者撮影)

空きスペースで賃料収入

東武タワースカイツリー電波塔事業本部の担当者、堀本恭平さんは「スカイツリーの高さをどのような観測に活用できるか、まだわかりきっていない部分がある。場所を貸していることをもっと知ってもらい、少しでも興味があればぜひ問い合わせていただきたい」と話す。

費用のイメージとしては「外に小型の観測機器を1つ置く場合は、年額で乗用車1台分くらい」(堀本さん)。日割りや週単位、月単位でも対応できるという。

スカイツリー電波塔事業部の堀本恭平さん
東武タワースカイツリー電波塔事業本部の堀本恭平さん(記者撮影)

同社にとっても空きスペースを有効活用し、放送事業者以外からの賃料収入を拡大できるメリットがある。開業10周年を経過してもなお、東京スカイツリーには見えない部分に「伸びしろ」が残されている。

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橋村 季真 東洋経済 記者

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はしむら きしん / Kishin Hashimura

三重県生まれ。大阪大学文学部卒。経済紙のデジタル部門の記者として、霞が関や永田町から政治・経済ニュースを速報。2018年8月から現職。現地取材にこだわり、全国の交通事業者の取り組みを紹介することに力を入れている。

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