東京スカイツリー「地上497m」には何があるのか 最上部「ゲイン塔」を照らす機器、「観測装置」も
天望回廊のさらに上、ゲイン塔の根元付近へ向け、関係者以外立ち入りができない屋外の階段を上っていくと、地上497mの高さに開放的なスペースが広がっている。円形の床面の外周にライティングの増強工事で取り替えられたフルカラー対応LEDの照明機器60台が並ぶ。
ほかに、この高さに電力中央研究所が観測装置を置いている。いったい何のための装置なのか。東武タワースカイツリーの資料には「高さ497m地点に東京スカイツリーへの落雷の電流を計測するロゴスキーコイルを設置し、2012年3月の東京スカイツリー竣工時点より雷の観測を行っており、都市部で発生する雷の特性解明に取り組んでいます」とある。
同研究所グリッドイノベーション研究本部の三木貫上席研究員によると、ロゴスキーコイルは「ドイツの物理学者ロゴスキーが考案した電流計測装置。スパイラル状のコイルで測定対象を囲み、流れる電流がコイルに発生させる磁界を検出して電流を測る。東京スカイツリーではゲイン塔に流れる雷電流を測定している」という。
高さ250m付近には?
このようにスカイツリーはその高さを生かし、さまざまな研究・観測に活用されている。例えば、高さ250m付近には国立環境研究所の設備がある。2016年から大気中の温室効果ガスと関連物質を観測。同じ資料には「世界最大の都市である東京からのCO2排出量を排出源別(植物の呼吸から出たものか、化石燃料を燃焼して出たものか)および燃料別(天然ガスか、石油か)に推定することが可能になると期待できます」とある。
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