四季報を読破してわかった「大化け銘柄」の新法則 コメント欄に登場する有力ワードは要チェック

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まずは、私にとって印象深かった会社プロフィールの例をいくつかご紹介します。

宇野澤組(うのざわぐみ)鐵工所(てっこうしょ)(6396)

●会社プロフィール:

「【特色】工業用ポンプ、送風機中堅。自社開発のドライ式真空ポンプは独占」

◎ここに注目:

「独占」というのはいいワードですね。独占とは、競合がいないということですので、顧客は当該企業から購入するしかなく、また価格競争にもさらされないため、商品やサービスをより高く売ることができます。

寿スピリッツ(2222)

●会社プロフィール:

「【特色】菓子大手。土産やギフト用軸に地域限定菓子製販会社多数」

◎ここに注目!:

地方観光のお土産用の地域限定菓子を製造販売している会社です。空港やデパートの催事場で売っている北海道の洋菓子ルタオ、東京・表参道のフランセ(リブランディング前は「横濱フランセ」)、長崎の九十九島(くじゅうくしま)せんぺいなどもこの会社の商品です。

新型コロナ感染拡大前のインバウンド需要が高かったときに、最安値から約26倍になりました。コロナが収束してインバウンド需要が戻ってきたら、間違いなく再評価されるでしょう。四季報にはその予兆をとらえた前向きなコメントが見られました。

「【回復】新規ブランド投入も継続。コロナ影響弱まり土産求め客数回復基調。(中略)営業益大きく回復」

「【EC】他社サイトでもデジタルギフト強化など需要掘り起こしに力点」

「独占」「大手」は要チェック

これらの例に見るように、まずは「独占」や「大手」という言葉が出てきたら要チェックです。

他にも、「世界首位」「国内首位」「業界首位」「シェア首位」「シェア○割(特に5割以上は注目)」「シェア高い」「独自技術」など、「ナンバー1」、あるいはそれに類する意味合いの言葉もいいですね。他社よりも優位に立っていると言えます。

さらに、「最高益」「大量出店」「躍進」「拡大」「二桁以上の伸び」「回復」などのポジティブなワードからも、会社が発展していく様子がうかがえますよね。そんなビビッとくるキーワードを、四季報の誌面上で難なく見つけられるようになればしめたものです。

次ページ有力キーワードに出合うには、人の真似をしないこと
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