円安で稼ぎ時「越境EC」日本企業が知らない"弱み" アリババ責任者が日本企業の強みや改善点語る
全球探物がECプラットフォーム内の「雑誌」なら、「テレビショッピング」に相当するのがライブコマースだ。Tモールグローバルは独身の日セール期間中の11月4日に世界各地とつなぎ24時間ライブ配信を実施、のべ1000万人が視聴したという。
日本からは東京・銀座の中古ブランド販売店「ブランドオフ」と結び、ブランド品を紹介した。日本で流通している中古ブランドは商品の状態の良さに定評があるだけでなく、鑑定や流通の仕組みへの信頼性が高い。状態を詳細に伝え、質問に即時対応できるライブ配信を活用することは、商品を手に取れない消費者の購入を強く後押しする。
董氏と、アリババグループのBtoC事業を統括する劉鵬氏によると、直接商品を確認できない中国人消費者に海外の商品を販売するには、オンラインで買い物の楽しさを体感してもらい、双方向の交流を促すコンテンツ化が必須であるという。また物流の整備にもコロナ禍以降最も力を入れているという。
日本企業の強み発揮できる「質的消費」
新型コロナウイルスの感染拡大と、厳格な行動制限を課すゼロコロナ政策、世界的なインフレなどを背景に中国経済は減速している。
しかし、劉氏は、「中国人が買い物をしなくなったのではなく、欲しいものや買う動機が変わったのであり、日本企業にとってはチャンスが広がっています」と話す。
「たとえば最近だと、所得が低い消費者は感染対策グッズの購入額が上がっていますが、中間層や富裕層は環境に優しい商品、ヘルスケア商品といった質的消費に向かっています。世代別にみると、トレンドの発信源であるZ世代の間ではスポーツ・アウトドア用品の需要が急拡大し、サーフスケート、サイクリング、釣りグッズ、バイク用品の売り上げが伸びています」(劉氏)
アリババジャパンによると、中国では新興ジャンルであっても、日本ですでに成熟している業界は日本企業の強みが発揮しやすく、スポーツ・アウトドア分野では「ダイワ」の釣り具や「アライヘルメット」のヘルメットの人気が高いという。
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