民族と宗教に地雷抱えるインドネシア政治の不安 アジア通貨危機後に起きた暴動の再来はないか

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全4回の特集『勃興するインドネシア』の第4回。2024年2月には次期大統領選挙が実施される。今、名前が挙がる3候補は、インドネシアの政策的方向性を一変させることはないだろうとの見方が支配的だ。しかし、無視できないリスクもある。

最近再建されたジャカルタ中華街の牌楼。多様な民族や宗教が存在する中でどのように国として統一していくかは、インドネシア建国以来の課題だ(筆者撮影)

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「インドネシアの自由民主制には大きなリスクがある。私たちインドネシア人の平均教育年数はわずか11年だ。そして最悪なのは、私たちが世界で最も宗教的な国であることだ。この両者が合わさると人々は簡単に利用され、政治的分裂が起きやすくなる」。パジャジャラン大学のアリーフ・ユスフ教授(経済学)はそう嘆く。

政治的分裂の火だねは、中国にルーツを持つ華人と、それ以外のインドネシア人の間に潜む。後者の多くが信じるイスラム教とそれ以外の宗教との間で摩擦が生じやすい。

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