ライフ創業者「自分を偉いと錯覚したことはない」 【第2回】慢心を防いでくれたライバルたちの存在

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ライフコーポレーションの創業者で、名誉会長の清水信次氏が10月25日、亡くなった。96歳だった。ここでは、2011年から2012年にかけて『週刊東洋経済』の「長老の智慧」に掲載したインタビューを4回に分けて再録します。

ライフコーポレーション創業者の清水氏。写真は2011年撮影(撮影:今井康一)
流通業界の重鎮として、ライバル企業の興亡を目の当たりにしてきた。ダイエー、イトーヨーカドー、ジャスコ(現イオン)——。今、あらためて考えるのは、企業を長期間繁栄させる難しさだ。

ダイエーの中内功さんはスケールの大きな立派な経営者でした。ただ、アグレッシブな経営者という世間のイメージと違って、彼は自分から仕掛けて取りにいったことはない。ダイエーが九州のユニードを併合したときも、ユニードの渕上栄一さんと亀之助さんの兄弟に「苦戦しているから引き受けてくれ」と頼まれたので引き受けたのです。

ダイエー創業期から興隆期にはいい番頭さんがいました。中内さんの神戸高等商業学校の同期の二人がダイエー入りし、副社長にまでなった。中内さんはフィリピン戦線で自分が寝ている間に食われるんじゃないかという厳しい状況で生き抜いたからか、なかなか人を信用しない人でした。

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