新田恵利さん「悔いなし介護」母との6年半の軌跡 夫の介護を見据える加藤綾菜さんと本音対談
加藤:新田さんは最初から迷わず、ご自宅で介護しようと考えたのですか?
新田:歩けるはずが歩けなくなり、自分でトイレにも行けません。次々とやることが山積みになり、それを兄と1つずつ乗り越えていくうちに何とか回っちゃったんです。当時から、2世帯住宅に母を呼んで暮らしていたのですが、兄が母の居住スペースに同居してくれることになり助かりました。
あるとき、取材で「どうして施設に入れなかったんですか?」と聞かれて初めて「施設という手もあったんだ」って(笑)。そのまま3年、4年と過ぎ、最期までなんとかなっちゃったという感じですね。
1人でどうしたらという不安
加藤:私も性格的に、加トちゃんが将来、介護が必要になっても施設に預けることができない気がします。介護の勉強などもしてきて、施設のほうがいいと頭ではわかっていても家でずっと看たいという気持ちが強いですね。でも、親族も遠くにいるし、私1人でどうしたらいいんだろうと不安になったりもします。
新田:大丈夫! 介護保険もあるし、ヘルパーさんをフルでお願いして一緒に介護すればいいんですよ。
加藤:チームで回していけるといいですね。加トちゃんはもうすぐ80歳になります。でも、週1の2時間トレーニングや毎日のウォーキングは欠かさないし、ピラティスにも通うことに。健康寿命をどうやって延ばしていこうかといつも考えています。
新田:その意欲が大事ですよね。私の母も要介護4で介護生活が始まり、訪問リハビリを受けて少しずつよくなったんです。その後、本格的なリハビリのために40日間入院して頑張ったら、出てきたら要介護3に改善していました。