AppleWatchの質感、実は高級機械式を凌駕 著名時計ジャーナリストが大絶賛
あらためて振り返る必要もなく、純然たる腕時計というジャンルでApple Watchをみた場合、価格を超えた素晴らしい製品という評価に落ち着くだろう。これは何もアップル側に寄ったバイアスで語られているものではなく、広田氏とさまざまな角度から話をしながら、筆者も納得する評価だ。
やや乱暴に言うならば、Webサイトの写真で見るApple Watchなど、その存在感や操作感、質感の半分も伝えることができていないと思う。しかしながら、どんなにApple Watchが素晴らしい外観とコストパフォーマンスだと評価されても、どこかに釈然としない気持ちが残る。
その理由は素晴らしい質感のケース、操作ボタン、竜頭、それら操作に対応するユーザーインターフェイスといったApple Watchが与えるユーザー体験の裏側には、デジタル機器としての側面を持っているからだ。
高級時計の外観、電子機器の中身
確かにApple Watchは素晴らしいケース、素晴らしいバンド、素晴らしいユーザーインターフェイスや操作ボタン、ダイヤルを備えるが、そのケースの中に収められているのは、液晶パネルであり、マイクロプロセッサを中心とする小さなコンピュータシステムだ。その中身は複雑な機械式ムーブメントでもなく、クオーツムーブメントでもない。
そうした当たり前のことを改めて感じたのは、広田氏がゴールドのApple Watchケースに関して次のように話したからだ。
「Apple Watchのケースは重厚に出来ていますが、見た目から受ける印象よりも軽量で装着感を損ねていません。とりわけゴールドモデルは、金とは思えないほど軽い。純然たる腕時計好きの中には、この軽さが不満という方もいるだろうが、普段、あまり腕時計を持ったことのない人たちを意識しているのかもしれない(広田氏)」
これに対して筆者は「中身がガラスエポキシの電子基板と液晶、電子部品だけで、金属のギアやバネがギッシリ詰まっているわけではないからでは」と応えた。何気ないやり取りなのだが、ここにApple Watchに対する視点の違いが明確に感じられた。
”腕時計”という商品の価値観でApple Watchを評価すると、見事に仕上げられた外観や操作性。すなわち、ユーザーとして感じるその場での”体験”に意識が向く。ここは本当に上質に演出されている。
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