有料会員限定

「非課税世帯へ5万円給付」が示す、政府の弱点 不公平な対象者限定か、ばらまきしか手がない

✎ 1〜 ✎ 382 ✎ 383 ✎ 384 ✎ 最新
拡大
縮小
日本の岸田文雄首相が安倍国葬に関する質問に答える
(写真:2022 Bloomberg Finance LP)

エネルギー価格や食料価格が高騰する中、政府は低所得世帯を支援すべく住民税の非課税世帯に対して1世帯当たり5万円を給付することを決めた。約1600万世帯を対象に総額9000億円程度が見込まれ、2022年度予備費から支出する。昨年の10万円支給に続き、対象者の申請を要さないプッシュ型の支援になる。

しかし、この給付をめぐっては不公平との批判も少なくない。

非課税世帯=低所得世帯ではない

そもそも非課税世帯=低所得世帯ではないことが理由の1つに挙げられる。住民税が非課税になる所得水準は扶養家族の数や地域に応じる。例えば、東京都の場合、住民税非課税の条件は「35万円×(本人+被扶養者の人数)+10万円(被扶養者がいれば21万円加算)」より少ない年間所得だ。

ここでいう所得は給与所得控除や公的年金等控除後の金額である。単身の勤労世帯の場合、給与所得控除の最低額55万円を考慮すると、控除前の年収で100万円が非課税かどうかの分かれ目となる。

次ページ住民税非課税は低所得の判断基準にはならない
関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
有料法人プランのご案内