田端そのものは「鉄道の町」として発展してきた。最初は日本鉄道(現在の東北本線)の駅が1896年に開業。同年中には常磐線への分岐点となった。山手線の池袋―田端間も、最初は貨物輸送を目的として1903年に開業した。山手線、京浜東北線と三角形を描くように山手貨物線が田端―駒込間で交差している。現在では、湘南新宿ラインの電車が頻繁に走っているルートだ。
2022年3月末に閉館した駅前の「JR東日本ホテルメッツ田端」は、オープン当初はJR貨物の関連企業ジェイアールエフ・ホテルがフランチャイズ経営しており、そうしたところにも田端と貨物輸送との関わりが感じられた。
新幹線や貨物列車も見られる
丘陵の下は、太古の昔は海であった平坦な土地。鉄道開通前は農村地帯で広い敷地が買収できたので、貨車の操車場や車両基地が設けられた。現在も新幹線や在来線の広大な基地が尾久駅との間に広がっている。かつて品川にもあったJR東日本の車両基地は、こちらへ整理統合されており、跡地のグローバルゲートウェイ品川としての開発、高輪ゲートウェイ駅開業へ、田端は間接的に貢献している。
JR東日本の東京支社も田端駅前にある。駅周辺にも、東北新幹線の高架下にある新幹線電車の連結器カバーや車輪など、鉄道の町を表すシンボル的なモニュメントが点在。新幹線の回送列車が地平を走って基地(東京新幹線車両センター)へ出入りする珍しい様子は田端駅のホームからも見える。貨物列車も多く通り、鉄道好きの名所にもなっている。
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