「配属ガチャ」回避、経済学の力で本人希望叶える 「自律的なキャリア形成」実現のための人事制度

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オフィスで働く人々
(写真:Taka/PIXTA)

保育所への入所、学校入試、人事異動、ワクチン接種予約──。生活の中で、人に財(モノや権利など)を割り当てる機会は枚挙にいとまがない。そして、誰に何を割り当てるかは、客観的なプロセスや主観的な判断などのルールにより決められている。人事異動の例なら、「指標を用いて公平に適性を判断したい」、「勘や経験を頼りに決めたほうがいい配属になる」といった具合だ。そうしたルールには、「よりよい配属を実現する」という目的意識があると考えるのが自然だろう。

しかし、現在使われている制度が、達成したい結果を得るうえで最適である保証はない。あらゆる制度の中で、考慮すべき制約を満たす最適解は何か。この答えを追求する学問はマーケットデザインと呼ばれ、応用先は多岐にわたる。

本稿では労働者(求職者を含む)と職場のマッチングに注目する。とくに、労働者側が「第1希望はX社、第2希望はY社……」、職場側が「第1希望はAさん、第2希望はBさん……」と、互いを順位づけする際に、両者をどう組み合わせるとよいかを検討する。

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