英語「小学校でどう学んだか」で能力差、中学で「苦手」避ける授業づくりのコツ 小・中連携で段階的にレベルアップしている

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私たちの力で、小学校の英語教育底上げのために何かお役に立てないだろうかということで、21年の春から、全国の小学校の先生方を対象に、オンラインで「小学校での英語授業に関する勉強会」を開催しています。

22年4月には、「英語で自分の考えを伝える力を引き出す指導法」をテーマに、佐藤先生には歌やチャンツを通じた「センテンスを覚えて気持ちを伝える指導法」についてお話しいただいたことに加え、岐阜大学教育学部で学生指導に当たる瀧沢広人先生に「具体事例を用いた英語で気持ちを伝えるための指導法」についてお話しいただきました。

※英文や英単語をリズムに合わせて発声する学習法

――参加された先生方からの反応は?

本郷 この回で3回目の開催となりましたが、毎回全国各地からご参加いただいています。専科の先生は横のつながりが少ないことが多く、孤独感を感じている方も少なくありません。このような会が自身の研鑽につながるだけでなく、お互いの悩みを共有したり解決したりする場としての役割も果たしていることがわかりました。

この勉強会は今後も定期的に開催し、情報共有を積極的に行っていきたいと思います。また、国内で独自の英語教育を行い成果を上げている小学校の取り組みを、全国でシェアするようなイベントも企画していく予定です。

本郷雅英(ほんごう・まさひで)
ワールド・ファミリー バイリンガル サイエンス研究所 研究員
(撮影:梅谷秀司)

――小・中連携の英語教育をしっかり推進していくことが、子どもたちの「話す力」の向上につながっていくのですね。

佐藤 中学校の英語の先生方は、同じ地域の小学校の先生方とある程度は交流を持たれていると思いますが、今改めて、子どもたちが小学校でどれくらい英語の勉強をしてくるのか、どのような授業を受けているのかに興味・関心を持っていただきたいですね。

1つの小学校にとどまらず、できれば複数の小学校の様子を見て、「小学校ではこんなことを学んでいるんだ」「子どもたちはこんなことに喜んでいるんだ」ということを感じ取っていただき、書くことももちろん大切だけれども、まずは言語活動を重視して英語による表現になじみ、「英語で話すことは楽しい」という気持ちを持たせることを第一に考えていただきたいと思います。

中学生に人気のある海外の音楽グループの歌を取り入れたり、夏休みに読みたい英語の本を選んでみんなで読んだり、デジタル教材を取り入れたり、パフォーマンステストを自分のタブレットで動画に撮る宿題を出してみんなで観賞し合ったりなど、方法はたくさんあります。「授業を楽しくかつ実際に英語を使用して互いの考えや気持ちを伝え合う活動を効果的に行うためにはどうしたらいいのか」を新たな視点で考えていただくことが、子どもたちの「英語で話す力」の向上につながるのではないでしょうか。

(注記のない写真:kotoru / PIXTA)

東洋経済education×ICTでは、小学校・中学校・高校・大学等の学校教育に関するニュースや課題のほか連載などを通じて教育現場の今をわかりやすくお伝えします。
長島 ともこ フリーライター&エディター

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ながしま ともこ / Tomoko Nagashima

育児、教育、PTA、暮らしのジャンルを中心に、書籍、雑誌、PR紙、WEB媒体において取材、執筆、企画、編集、講演等の活動を行っている。また、自身のPTA活動や記事執筆を機に、全国のPTA仲間と「PTA・保護者組織を考える会」を立ち上げ、情報発信やイベントの運営、PTAやP連からの相談活動等を行う。

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