体験しないと大損、佐賀県「鉄道旅」秘めた可能性 知名度低いが、リピーター率は圧倒的に高い

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佐賀県有田町にある陶山神社の鳥居の前を走り抜ける特急ハウステンボス号(筆者撮影)

「佐賀県へ旅したことがありますか?」

そう周りに聞いたら、ほとんどの人が「ない」と答えた。

佐賀県は、日本の都道府県の中で、どちらかというと印象が薄い県かもしれない。2021年度の都道府県魅力度ランキングでも、佐賀県は47県中46位だった。

そんな佐賀のイメージで真っ先に思い浮かぶのは、2003年に流行った、芸人はなわさんの「佐賀県」という曲ではないだろうか。「SAGA、さが♪」と歌うその曲のおかげで、全国的に佐賀の存在が広まったと言っても過言ではない。

しかし私にとって、佐賀に対しての知識は残念ながらそこ止まりで、長らくそれ以上進展しなかった。そう、佐賀に行くまでは。

数年前に佐賀をじっくり旅したのだが、このたび、改めて佐賀に訪れて、その魅力を再確認してきた。鉄道ファン的にも興味深いこの県の実力を、これから伝えていきたいと思う。

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西鉄と佐賀県のコラボ列車に乗る

まず西鉄福岡(天神)駅から乗車したのが、西日本鉄道「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」(レールキッチンチクゴ)だ。

西鉄福岡駅に停車中の「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」(筆者撮影)

運行して3年目のこの列車で、今回、西鉄と佐賀県がコラボして、「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO×SAGA」(レールキッチンチクゴ×サガ)という列車を走らせることになった。

もちろん西鉄は佐賀県内を走ってはいないが、佐賀県では県境を越えた経済発展を目指す「筑後佐賀エリア連携」の取り組みを推進しており、今回の運びとなったわけだ。

「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」は車内で食事がいただける旅列車。今回の企画はその食事内容が、佐賀にまつわるものとなっている。西鉄のこの列車を活用することで、筑後のみならず、佐賀の魅力も発信し、エリア一帯の活性化につなげたい、というのが目的だ。

このコースでは西鉄福岡―西鉄柳川までを約2時間かけて運行する。以前、西鉄福岡―大牟田の通常のコースに乗車したことがあったので、今回はその違いも楽しみたいと思う。

発車して、まず初めにウェルカムドリンクが出てきた。こちらはもちろん佐賀のお酒。佐賀は酒蔵が多く、日本酒のバリエーションがとても豊か。味はどちらかというと甘めのものが多い印象だ。

1品目の「フォアグラ・イチジク」は、パイがサクサクで、フォアグラがとても濃厚なアミューズ。乗っている佐賀・唐津産の黒イチジクの甘みがより一層お酒に合う味となっていた。

続く「真鯛・メロン」は、くり抜かれたメロンの中に武雄市のパクチーが効いた緑のガスパチョ。こちらは器が李荘窯の有田焼となっている。貴重な有田焼の器と共に味わうことで、より一層佐賀が身近になる。

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