加藤綾菜さん「世間の評価」がいきなり一変した訳 「頑張ったんだね」と涙ながらに声をかけられる

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――事務所に入ったのは、自分から表舞台に出ていこうと思ったからでしょうか。

加藤:違います。もともとは、加トちゃんが77歳になったとき、「もし自分に何かあったときに、事務所に入っていないと家に取材に来られて大変なんじゃないか」と、私の親友の鈴木奈々ちゃんに相談していたんです。

働いて自立していれば、何かあっても…

加トちゃんとしては「自立してほしい」という思いもあったと思います。働いて自立していれば、もし急にいなくなっても大丈夫だ、と。それで奈々ちゃんが「私の事務所入る? 社長に言っておくよ」って言ってくれて、社長にお会いしたら、2分後にはもう所属が決まりました。そこから初めて1人でテレビに出るようになり、ちょっとずつ世間の風向きが変わってきたんです。

――手のひら返しをしたように世間の受け止め方が好意的に変わりました。

加藤:この2年ぐらいで急に変わりましたね。以前は町を歩いても白い目で見られていたのに、今は知らない人に泣きながら「頑張ってきたんですね」と声を掛けられたり、「栄養つけてね」と唐揚げを大量にもらったり。

嬉しいですけど、変わりすぎて怖い。加トちゃんは「罵られても、賞賛されても、絶対に一喜一憂しちゃダメだよ。人ってすぐに変わるから」「自分を強く持って、誠実に生きなさい」って、10年前からずっと言っていました。10年経って、「あ、こういうことか」と初めてわかりました。私たちはずっと仲良く年を重ねてきただけで、何も変わってない。何でこんなに変わったのか不思議です。

――介護の資格を取ったことも大きいと思います。

加藤:たぶんそうですね。介護の資格はずっと取りたかったのと、結婚3年目で加トちゃんがパーキンソン病になったときに何もできなかったというのもあって、介護職員初任者研修、介護福祉士実務者研修を取得しました。

加トちゃんはまだ全然元気なので、介護施設でボランティアさせてもらっていたんですが、それが記事になって、「介護をしてる=いい奴」みたいになったんだろうなと思います。

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