コロナ禍で加速する貧困、不登校、虐待「10代の孤立」救うNPOの奮闘とは? 「自己責任」の言葉に潜む、無関心という放置

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「私は2004年の事件を経験してから、ほぼ再起不能にまで陥りました。希望もありませんでしたし、本当に死にそうだった。むしろ、1回死んだような気すらしています。そんな自分が味わったようなどん底の経験を、今の10代の子どもたちにはしてほしくない。私は今、2度目か3度目かの人生、もう一度与えられた人生だと思って、目の前の仕事に取り組んでいます。私のこれまでの人生は、周囲の人々に助けられてきた人生でした。そうやって自分が助けられたからこそ、社会に対してその恩返しをしていきたい。今後D×Pとしては、2030ビジョンという目標を掲げており、2030年までに日本全体の支援対象者の3割にアウトリーチできる体制を築いていくのが目標です。3割がカバーできれば、社会が変わっていくきっかけになると考えているからです。これからも行政と連携し、役割を補完しながら、広く深く、いずれは支援の輪を世界にも広げていきたいと思っています」

今井紀明(いまい・のりあき)
1985年生まれ。37歳。立命館アジア太平洋大学卒業。認定NPO法人D×P(ディーピー)理事長。高校生のとき、イラクの子どもたちのための医療支援NGOを設立。その活動のために、当時、紛争地域だったイラクへ渡航。現地の武装勢力に人質として拘束された。帰国後「自己責任」の言葉の下、日本社会から大きなバッシングを受け対人恐怖症になるも、大学進学後、友人らに支えられ復帰した。通信制高校の教師から通信制高校の生徒が抱える問題を知り、親や教師から否定された経験を持つ生徒たちと自身の経験が重なり、2012年にNPO法人D×Pを設立。オフライン(学校現場)とオンラインで生きづらさを抱えた若者に「つながる場」を提供、寄付も募っている
(写真:D×P 提供)

(文:國貞文隆、注記のない写真:xijian/ゲッティイメージズ)

東洋経済education × ICT編集部

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小学校・中学校・高校・大学等の学校教育に関するニュースや課題のほか連載などを通じて教育現場の今をわかりやすくお伝えします。

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