混雑期のJR特急「ちょい足し」で乗れるグリーン車 「最繁忙期」普通車指定席との差は300円程度

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一方、JR東日本には時期ごとの指定席特急料金の設定がない特急列車がある。「ひたち」「ときわ」「スワローあかぎ」「あずさ」「かいじ」「富士回遊」「はちおうじ」「おうめ」「踊り子」「湘南」といった列車だ。

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これらの列車は、51~100kmまでの特急料金が事前料金で1020円、車内料金で1280円。グリーン車利用の場合は、グリーン料金に事前料金から530円引いた額を足して1790円となる。つまり、最繁忙期の設定がある特急の普通車指定席(1880円)よりも安いのだ。区間が違うので単純比較はできないが「お得感」はある。

ただ、複数の特急料金体系が混在する高崎線では、特急「草津」の最繁忙期普通車指定席1880円よりも、「スワローあかぎ」のグリーン車指定席1790円の方が安いといった逆転現象が起きている。また、「スワローあかぎ」と普通の「あかぎ」は特急料金体系が異なるが、「あかぎ」も繁忙期料金の設定はないので比較の際に注意が必要だ。

【主な100km圏区間】
<中央線方面>
「あずさ」「かいじ」立川―甲府間(96.6km)・八王子―韮崎間(99.6km)、「あずさ」甲府―塩尻間(88.0km)・韮崎―松本間(88.4km)、「かいじ」東京―大月間(87.8km)
<常磐線方面>
「ときわ」品川―石岡間(92.6km)・柏―勝田間(94.2km)・土浦―高萩間(98.7km)、「ひたち」水戸―いわき間(94.1km)・いわき―相馬間(97.6km)・双葉―仙台間(97.6km)
<東海道線方面>
「踊り子」東京―湯河原間(99.1km)・品川―熱海間(97.8km)・川崎―網代間(95.1km)・横浜―伊東間(92.7km)
<高崎線方面>
「スワローあかぎ」
赤羽―高崎間(91.8km)

また、200km圏内の場合は100km+100kmに区間を分割して買うとさらにお得だ。特急料金とグリーン料金を合わせて通常は4510円(特急料金1710円+グリーン料金2800円)のところ、分割して購入すると3580円と、930円も安くなる。

これは、特急料金・グリーン料金ともに200kmまでの金額が「100kmまで」の倍額よりも高いからだ。

特急料金は151~200kmまで2240円(グリーン車利用の場合は前述のとおり530円を引いて1710円)なのに対し100kmまでは1020円(グリーン車の場合490円)。グリーン料金も101~200kmまで2800円だが100kmまでは1300円なので、分割することでどちらも200円安くなる。さらに、グリーン車を利用すると指定席料金530円が不要となる回数が1回増えるので530円安くなり、合計930円もお得になるというわけだ。

【区間分割が可能な主な200km圏区間】
「あずさ」
立川―甲府間96.6km+甲府―塩尻間88.0km=計184.6km
「ときわ」品川―石岡間92.8km+石岡―高萩間82.5km=計175.3km
「ときわ」「ひたち」柏―水戸間88.4km+水戸―いわき間94.1km=計182.5km
 ※水戸での乗換待ち時間は最短15分

JR九州も「繁忙期」が設定されたが…

JR九州はこれまで繁忙期料金がなかったが、今年4月から設定された。76km~100km区間の繁忙期指定席特急料金は通常期の200円増しで1930円だ。だが一方で、グリーン料金は東日本などと比べて安く100kmまで1050円だ。特急料金を合わせても2250円で、プラス320円でグリーン車に乗れることになる。

【JR九州の主な100km圏区間】
「きらめき」
門司港―博多間(78.2km)、「みどり」「ハウステンボス」博多―有田間(96.4km)、「かもめ」新鳥栖―諫早間(97.5km)・佐賀―浦上間(98.7km)、「ゆふいんの森」久留米―由布院(99.1km)

いかがだったであろうか。混雑する最繁忙期にどうせ高い料金を払うならちょこっとだけ金額を足して、普段は手が出にくい新幹線・特急グリーン車の旅を優雅に楽しんでみてはいかがだろうか。ちなみに2022年、JR東日本の夏の最繁忙期は8月10~19日、JR九州の繁忙期は7月21日~8月31日である。

北村 幸太郎 鉄道ジャーナリスト

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きたむら こうたろう / Koutaro Kitamura

1989年東京生まれ。2008年昭和鉄道高等学校運輸科卒業、2012年日本大学理工学部社会交通工学科マネジメントコース卒業。乗り鉄、ダイヤ鉄。学生時代は株式会社ライトレールにインターン生として同社の阿部等社長のもと、同社主催の「交通ビジネス塾」運営などに参加。

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