「持続可能な経営=経済成長は悪」と思う人の盲点 誤解だらけ!資本主義自体が悪いわけではない
環境、社会、経済は独立した3つの概念ではない
SDGsやサステナビリティについて語る前に、まず前提として押さえておいてほしいのは、「環境・社会・経済の関係」についてだ。それを端的に表している下の「亀のイラスト」を見てほしい。
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環境・社会・経済の関係は、親亀(環境)の上に子亀(社会)が乗り、子亀の上に孫亀(経済)が乗るという三重構造になっている。サステナビリティ経営について考えるときは、このイラストを常に頭の中に思い浮かべてほしい。
「環境」「社会」「経済」はそれぞれ独立した3つの概念ではない。環境なくして社会なし、社会なくして経済なし、つまり、土台である「親亀(環境)」がこけたら、「子亀(社会)」も「孫亀(経済)」も皆こける構造になっている。
これを頭に入れたうえで、これまでの経済活動を振り返ってみよう。「孫亀(経済)」は、自らの目標を達成するために「親亀・子亀」を傷つけながらどんどん成長を続け、結果的に「自分で自分の首を絞める」活動をしてきたといえる。
「親亀」と「子亀」は、「孫亀」に傷つけられても必死に耐えてきたが、それには限度というものがある。「孫亀」にとって、「親亀」や「子亀」は事業基盤であり、それを毀損(きそん)するようなビジネスは長期的に持続できないことが、ようやく最近になって明らかになってきた。これが、近年のサステナビリティや地球温暖化・CO2削減への関心の高まりとなって表れている。
では、サステナビリティ経営と経済成長は相容れないものなのだろうか?