コロナ禍とウクライナ戦争に直面した世界経済は今まさに混迷のさなかにある。戦争の行方をはじめ変数があまりに多く、方向感が読みにくいのが実情だ。
国際通貨基金(IMF)は4月に改定した世界経済見通しで、2022年の実質成長率を3.6%と前回1月の予測から0.8ポイント下げ、23年も3.6%へ0.2ポイント下方修正した。ロシアへの経済制裁、燃料・食料など物価の高騰と米国などの金融引き締め、ゼロコロナ政策による中国の景気減速が全世界に負の影響を及ぼすためだ。
4月20〜21日に米国で開催されたG20(主要20カ国・地域)財務相・中央銀行総裁会議では、インフレ加速など世界経済への懸念が参加国で共有されたものの、対ロシア制裁をめぐって立場が真っ二つに割れるなど対立が鮮明化。ロシアの代表が発言する際、米英など複数国の代表が退席する異例の展開となった。共同声明も採択されず、G20の機能不全を露呈した。
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