「88%が自己理解、78%がメンタルケア」に効果があったAIアプリの正体 学校で実証実験「AIジャーナリング」の可能性

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約9割が自己理解力向上、約8割がメンタルケアに効果

同社はさらに、このmuute を教育現場に活用しようと考えた。コロナ禍で子どもたちが心理的不安やストレスを感じていることは明らかだったからだ。例えば、国立成育医療研究センターの「『コロナ×こどもアンケート』第4回調査報告書」でも、中等度以上のうつ症状がある子どもの割合が、高校生では30%、中学生では24%に上ることが判明した。

また、muuteのユーザーには学校の教員が案外多くいたため、教育現場の課題についてインタビューしたところ、現場では「自己理解力」「批判的思考力」「主体的行動力」といった非認知能力の育成が求められていることも見えてきた。

喜多 紀正(きた・のりまさ)
ミッドナイトブレックファスト代表取締役
日系消費財メーカー、外資系戦略コンサルティングファームを経て現職
(写真:ミッドナイトブレックファスト提供)

muuteを学校で活用すれば、子どもたちと教育現場双方の課題解決に貢献できるのではないか――そう考えた同社代表取締役の喜多紀正氏は、学校共同プロジェクト「muute for school β」に踏み切った。

生徒の自己理解力やメンタルケアに変化があるのか検証するため、2022年1月11日〜2月21日の期間、9つの私立中学校・高等学校の生徒189名に、muuteを使って自身の感情変化や出来事の振り返りを約2週間行ってもらった。

実証実験後のアンケートでは、生徒の88%がmuute を利用することで「自己理解力の向上につながった」、78%が「自分のメンタルケアにつながった」と回答。

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「muuteを使うことで、より自分を知ることにつながりましたか?」と、自己理解力を問う質問に対する回答
(画像:ミッドナイトブレックファスト提供)
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「muuteを使うことが、自分のメンタルケアにつながりましたか?」という質問に対する回答
(画像:ミッドナイトブレックファスト提供)

どのように自己理解が進んだかという質問への回答は、「自分の思考と感情を客観的に把握できた(50%)」「自分の感情の機微や起伏ついてよりよく知れた(35%)」「自分がどんなことに影響を受けやすいかがわかった(34%)」という結果となった。

メンタルケアの具体的な効果については、「考えることで思考が整理されて、頭がスッキリした(37%)」「書いて自分の状態を客観視することで気持ちが落ち着いた(32%)」「書くことで悩みやストレスが軽減した(31%)」という回答が得られた。

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