交通事故を防ぐ、「先進運転支援システム」最前線 踏み間違い事故防止に向けた後付け安全装置
また、車両への装着は、わずか3点のユニットだけというのもユニークだ。カメラセンサー内蔵の「メインユニット」、危険が迫った際にドライバーへ警告を発する「EyeWatch」という名称のディスプレイ、自車位置を捕捉する「GPSユニット」を、いずれも運転席前方のフロントウインドウなどに装着する。非常にシンプルな構成なので、運送用トラックやタクシーなど、こちらも幅広い車種に対応するメリットを生む。
警報機能だけでいえば、最近はドライブレコーダーなどにも採用されているが、当システムでは、先進技術を用いてより高精度な機能を発揮する。最先端のビジュアルコンピューティングとAIを採用し、自車前方の車両や歩行者などを画像認識技術で素早く検知し、衝突の危険がある場合には、ディスプレイや音声で警告を発する。
いち早く危険を知らせ、事故を未然に防ぐという考え方
丸紅オートモーティブの担当者によれば、当システムは「警報を出すタイミングが非常に早いことが大きな特徴です。一般的なドライブレコーダーで警報が出るのは、衝突などの1秒前くらいですが、モービルアイ8コネクトでは、例えば前⽅⾞間距離警報の場合、前⽅の自動車やオートバイに対し、差し迫った追突事故の最⼤3秒前に警報を発報します」と説明する。また、歩行者・自転車衝突警報では、歩行者や自転車と衝突しそうな場合に「最⼤2.1秒前に警報を発する」ことができる。
同社は、衝突事故の減少や防止には、ドライバーへの早期警告が非常に重要だと考える。当展示会では、アメリカの国家機関などによる事故分析データを引用した展示パネルでそのことをアピールした。例えば、NHTSA(アメリカ運輸省道路交通安全局)の調査データによれば、「94%の衝突事故はヒューマンエラーが原因」だという。また、「80%の衝突事故は発生3秒前の不注意が原因」で、「40%の衝突事故はブレーキなしで発生」することもわかっているという。
さらに展示パネルでは、「(衝突)1.5秒前の早期警報が事故の90%を防ぐ」ことや、「(衝突)2秒前の早期警報がほぼすべての事故を防ぐ」といった調査報告も紹介している。つまり、こうした分析や調査結果から鑑みれば、当システムが持つ「最大で3秒前」などの素早い警報機能は、衝突事故を未然に防ぐことに大きく貢献するというわけだ。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら