PTAの「外注」コスト増でもメリット多すぎる訳、「活動の精査」がポイント 保護者の負担、時間もストレスも大幅減の実際
費用は、デザイン制作費と印刷費を合わせ、15万円未満で収まったという。
「PTA全体の予算から考えると、決して高い金額ではないと思います。このデータを基に、次年度以降は地図上の変更点を伝えるだけで毎年役員の手を煩わすことなくリニューアルできますし、引き継ぎの際も非常にラクになると思います。PTA活動を外注することによりコストは発生しますが、保護者の負担やストレスを考えるとベストの選択といえると思っています。コロナ禍が続き、役員さんや委員さんが対面で集まる機会が減っていますが、よりよいPTAにしていくためには、知恵を出し合うことが大切です。行事などでみんなが集まるときに短時間残るなど、“ついで”の時間を活用しながらコミュニケーションを図っていきたいですね」
外部団体の力を借り保護者向けのオンライン講演会を開催
PTA役員・委員の負担が大きい活動として挙げられるのが、PTA主催の保護者向け講演会や勉強会の開催だろう。
毎年恒例となっているPTAが多いものの、「いつ、誰を呼び、どのようなテーマで話してもらうか」など決めるべき事柄が多く、講演会担当役員の苦労話をよく耳にする。
中でも難航するのが「誰を呼ぶか」という人選であるが、富山県富山市立新庄北小学校PTA会長の酒井舞子氏は、インターネットを利用し講師を探す手間と負担を削減。少ない労力で、オンラインによる親子向け講演会を実現させた。

富山県富山市立新庄北小学校 2021年度PTA会長
20年度副会長を経て、21年度にPTA会長に就任。22年度は生活指導委員を務める。3人の子どもの母親
(写真:酒井氏提供)
「毎年2月にPTA主催の講演会を開催していました。それまで、地元の教育やスポーツに関わる有名な方にお願いして対面で行っていたのですが、20年度はコロナで中止。21年度も新型コロナの流行が続いていたので『今年も中止にしようか』という意見も出たのですが、学校とも相談し、『オンラインで開催する方向で準備してみよう』ということになりました。このように決まったのが、21年の11月。翌年2月開催となると、地元の有名な方で探すには時間がないし、ピンとくる方もいない。どうしよう……と思いつつ、インターネットで調べることにしました」(酒井氏)
「PTA オンライン講座」で検索したところ、PTA保護者向けのオンライン講座や講演会の企画・運営をサポートする団体の存在を知った。問い合わせたところ、お薦めの講師を何人か紹介されたという。
「食育、子どものお金教育など保護者が興味を持ちそうなさまざまなジャンルの登録講師の方を、紹介いただいた中から頼みたい方に直接お願いすることができるのです。講師料も良心的で安心しました。PTA役員、学校と相談し、この団体のサービスを利用することに決め、英語講師の女性に『どうなる?これからの英語教育 〜これから子どもたちに求められる英語力とは?〜』というテーマでお話しいただくことにしました。土曜日の午後に開催したのですが、学校がオンライン開催を全面的にサポートしてくれ、子どもたちに配布されているChromebookを活用し、約60組の親子に視聴していただくことができました」
学校と対話を重ねながらPTA活動を外注し、GIGAスクール時代に即した保護者向けのオンライン講座を実現した好事例といえる。
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