リクルートが「時代に逆行する統合」で得た手応え データ徹底活用で「足で稼ぐ営業」から劇的進化

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2021年に販促メディアや業務支援SaaSの事業会社を統合したリクルート。それから1年。統合効果は出ているのか。

北村吉弘社長は、リクルートの強みを「食品スーパーと専門店街が隣接しているショッピングモールみたいな布陣」と表現する(撮影:梅谷秀司)
結婚式情報の「ゼクシィ」、飲食店情報の「ホットペッパーグルメ」、旅行情報の「じゃらん」など、さまざまな販促メディアを手がけるリクルートホールディングス。グループにとっては人材派遣事業、HRテクノロジー事業(インディードなど)とならぶ収益柱が、この販促事業だ。
コロナ禍では外出自粛などの影響が直撃し、収益が以前の水準に戻っていないサービスも多い。一方でここ数年は、店舗向け決済サービスの「Air(エア)ペイ」をはじめ、会計、受発注、労務など14(2022年3月時点)の業務支援SaaS(Software as a Service)で展開する「エアビジネスツールズ」を育成。顧客接点を増やし、景気動向に左右されやすい販促支援一本足からの脱却を図っている。
2021年4月には、販促メディアや業務支援SaaSの事業会社を統合。それぞれが培ってきたデータ活用ノウハウなどを共有し機能開発を加速、サービスレベルの引き上げを狙っている。統合から1年、目的はどこまで達成されたのか。統合会社・リクルートの北村吉弘社長に聞いた。

 

――リクルートで販促メディアを手がける飲食、旅行、結婚などの領域は、事業者がコロナ禍で大打撃を受けました。

(飲食や旅行業界は)ただでさえ年々利益率が下がっている事業者が多かったところに、コロナが来た。否応なしにデジタル化を進めなければならなくなったクライアントが激増し、それを支援しているわれわれにとって、ある意味、事態がプラスに働いた面もある。

最たるものが(「Air(エア)ペイ」をはじめとする)「エアビジネスツールズ」の躍進だ。具体的な数字は言えないが、順調に導入社数を伸ばしている。

ベンチャーを含め、こうした業務支援SaaSを提供する企業はものすごく増えているが、エアビジネスツールズなら業務・経営支援のあらゆるツールを1つのIDでマルチに使える。クラウド会計のfreeeなど、他社ツールとの連携にも積極的だ。

うちにはもともと「ゼクシィ」「ホットペッパー」のような販促のメディアプラットフォームがあって、一方で業務支援SaaSも手がけている。食品スーパーと専門店街が隣接しているショッピングモールみたいな布陣だ。ここに来てくれれば、クライアントは使いたい機能をひととおり揃えられる。そういう点を売りにしている。

「パートタイム」から「フルタイム」のパートナーへ

――単なる販促メディア企業ではなくなりつつあると。

これまで当社は、採用の母集団を形成をするとか、忘年会時期に飲食店に集客をするとか、一定の目的のために使ってもらうパートタイムパートナーみたいな存在だった。その瞬間の課題は解決できるけど、終わってしまうと関係性が切れて、次にお願いされたときにまたイチから現状把握、課題発見などをする必要があった。

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