大学ファンドの資金が分配されるのは「国際卓越研究大学」に選ばれること。だが、そのハードルは高く、大学にさらなる改革を求める。現場の「改革疲れ」が研究力低下の一因にもなっている。
「大学改革などを大きく進める最大のチャンス到来と言える。(中略)ここから数年は日本が世界のトップ集団にい続けられるか否かの勝負の分かれ目になる」
大学ファンドの創設決定を受け、総合科学技術・イノベーション会議で国立研究開発法人物質・材料研究機構理事長の橋本和仁委員はこう述べた。
厳しい要件をクリアする必要
大学ファンドは10兆円という巨額の資金を運用し、その運用益を大学支援に充てる目的で創設された。研究力低下の打開策として大学ファンドとそれに伴う大学改革への期待は大きい。しかし、大学ファンドからの支援を受けられるのは、世界に伍する研究大学として国が認める「国際卓越研究大学」になることだ。それに選定されるためには厳しい要件をクリアする必要がある。
2月1日には、総合科学技術・イノベーション会議で10兆円という超巨額の大学ファンドによる大学支援の最終案を決定した。2月25日には関連法案を閣議決定し、現在開かれている通常国会での法案成立を目指している。
2021年3月から12回にわたって開かれた総合科学技術・イノベーション会議内の「世界と伍する研究大学専門調査会」で「国際卓越研究大学」のガバナンスや研究環境のあり方などが議論されてきた。
この記事は会員限定です。登録すると続きをお読み頂けます。
登録は簡単3ステップ
東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
おすすめ情報をメルマガでお届け
無料会員登録はこちら
ログインはこちら